スバル・BRZ STIスポーツが納車されてから約半年。
実用性のないスポーツカーなんて買う予定はなかったんだけど、クルマ好きとして、やはりスポーツカーは憧れだ。
人間というのは欲深い。一度欲しくなると、もう頭の中はそれでいっぱい。妄想は膨らみブレーキが効かなくなる。
そして、紆余曲折があって・・・
極上の一台に巡り合い。
納車となった。
約30年前に車の免許を取って、はじめてのスポーツカー。心のままに綴ります。コロナに飽き飽きした方、暇つぶしにでもどうぞ(笑)
BRZ・STIスポーツを購入して得たものとは?
現在の走行距離は約5000kmちょっと。
走行距離500Km未満のデモカーだったので、ほぼ乗った距離はオドメーターと同じぐらい。
使い方は、毎日の通勤と休日のドライブ。
とにかくハンドルを握るのが楽しい。通勤すら苦ではない。本革の小径のハンドルは少し重たくて、まるでハンドルとタイヤがダイレクトに繋がっているようだ。少しハンドルを切るだけでよく曲がる。それも鋭く、狙ったところにアタマが入ってく。
たまに、かみさんのN−BOXを運転すると、まるでトラックに乗っているみたい。ハンドルをグルグル回さないと曲がらない。逆にカミさんにBRZを運転させたら、クイックなハンドリングにフラフラして、どこかにぶつけそうで恐ろしかった。
2リッターのNA、水平対向4気筒のエンジンは吹け上がりも良く、レスポンスもいい。ターボエンジンのようなドカンとくるパワーはないが、アクセルがリニアに反応するって、めちゃくちゃ気持ちいいのだ。
アウトドアが趣味で、これまでクルマは移動の手段として荷物と人を運べて、オフロードでも雪道でもヘッチャラなクルマに乗り継いできた。が、運転が楽しいかと聞かれれば、それほど楽しいとはいえない(デリカd5の雪遊びは楽しかったけど笑)。
自分の場合、乗り物に乗って楽しいのは2輪だった。
それが、特に行き先も決めずに走る休日のドライブが楽しいのだ。峠道でスポーツモードに入れて、スロコンをパワーモードに設定すれば「ガツッ」と加速していく。
ドライビングが楽しい!
クルマの本当の楽しさを教えてくれた。そして・・・
上手く走らせることの難しさも。
スポーツカーが売れない時代に、こうやって作り続けてくれたスバルとトヨタに感謝。
STIスポーツというグレード
BRZのなかで、最上位グレードが「STIスポーツ」になる。スバリストたち(スバル乗り)は、こぞってSTIグレードを買う。スバルのモータースポーツ活動を担うのが「STI」という組織。その部門が開発したパーツを惜しみなく投入し、なかにはエンジンチューンを施した特別仕様も販売される。いわばファクトリーチューンだ。それがフツーにディーラーで買えるからスゴイ。
今でこそトヨタのモリゾゥ社長が負けじと「GR」ブランドでチューンしたクルマを売っているが(「クルマばか」のあの人が社長になってトヨタは変わった。GRヤリスは本気だ)、スバルはその先駆けだ。標準グレードより100万円以上高くなることもある。
生産中止が決まった名機「EJ20」エンジンを積んだWRXのファイナルエディションは452万/485万円という価格にもかかわらず、限定555台は抽選販売であっという間に売り切れた。
BRZのSTIグレードは、エンジンこそノーマルだが、 サスペンションなどの足回りから、ブレーキは赤いキャリパーの「ブレンボ」だ。これだけで50万円ぐらいするらしい。
ホイールもブラックの15本スポークでSTI製。社外品に変える必要もない。
スポーツカーに乗ると、やたら社外品を付けて、ドレスアップしたくなるのが人情というものだが、STIグレードは最初から「特別」な仕様だからその必要がない。最初に払う金額は高いけど、その後のカスタムとか考えたらGTグレードから20万円ぐらいアップは安いもの。ストックのままで十分満足だし、カッコいい。そして下手に弄ればバランスが崩れて性能を落としかねない。
この「特別感」が心のビタミンになる。
MTとAT
「スポーツカーに乗るならMT」
クルマ好きならマニュアルでしょ。クラッチを踏んでシフトレバーを操作する。実際、BRZはマニュアルの方が売れているらしい。
自分のBRZは・・・
ATだ
うーん。正直MTと悩んだ。
楽しいのはMTだろう。スポーツカーなら特に。操っている感がある。話は変わるが、バイク(250cc以上)はほとんどマニュアルだ。逆にATの設定がない。ATはスクーターぐらい。たまに代車でスクーターに乗ることがあるが、アクセルとブレーキだけだと却って乗りにくいし、退屈ですぐに嫌になってしまう。
クルマに関しては、しばらくMTを運転していなかったのと、普段使いで乗ることを考えると、やっぱりATかなと。ATのイージーさは捨てがたい。
レンタカーで86のATを借りてみて、なかなか今時のATが侮れなかったのもある。小気味よくシフトアップしていくし、シフトダウンではヒール・アンド・トゥをしているかのようにブリッピングして回転数を合わせてくれる。正直、前に乗っていたCX−3のATとは雲泥の差があった。
もうここまで来ると好みと使い方の問題だ。自分の場合、通勤でストップ・アンド・ゴーが多く渋滞もある。いまやMTは趣味で乗るクルマだ。一方、ATは峠道でハンドリングに集中できるのもいい。パドルシフトもほぼラグもなくパシパシ決まる。案外MTのような楽しさも味わえる。
最近のスポーツカーはMTの設定がない車種もある。新型スープラはATのみ。ATの方がMTに比べて効率的で正確に操作できるからだそうだ。それに対してネットの「マニュアル厨」は鬱陶しいね。クルマ関係のコメントで「マニュアルの設定があったら買うんだけどね」みたいな上から目線のヤツ。
日本中のクルマの9割がクラッチレスなのに「本当かよ!」
そういうのに限ってCVTのミニバン乗ってそうwww
どうでもいいけど。。。
BRZはATでも十分楽しいです(個人的見解です)
BRZに乗って失ったものとは?
やっぱり「銭」
下取りのCX−3はいい値段で取ってくれたけど、そこそこ追い金を払った。
当初考えていた予算をオーバーした。それほど裕福ではない家計。虎の子の定期を解約した。お兄ちゃんの留年がなければ・・・まあ、これは仕方ない。
さらに、ガソリンがハイオク仕様で街乗りだと燃費は10Kmを切る。覚悟はしていたけどね。週末ドライブは月1回にしている。暖かくなればリッター30Km走るSRの出番も増えるから十分だ。
乗り心地もなかなかハード。乗っていて楽しいが快適ではない。引き締まった足回りは、路面のゴツゴツを結構ダイレクトに伝えてくる。自分は慣れたけど、たまに隣に乗るカミさんや娘からはちょっとアクセル踏んだだけで激しくクレームが来る。
家族の絆を失いそうだ(泣)
それとウィンタースポーツ。趣味のスキーを辞めた。雪山登山も誰かに連れて行ってもらわないと行けなくなった。FRで車高の低いBRZで雪道を走るのは危険だし、18インチのスタッドレスタイヤはとてつもなく高い。慣れないクルマでスリップしてぶつけでもしたら泣くに泣けないし。
何かを得るには何かを捨てなければならない。スキーは楽しい。がBRZと引き換えなら未練はない。
体を動かしたくなったら、近所の山を走ればいい。金をかけずとも楽しめる。こっちの方が健康的な気がするし。
ただし、カミさんのクルマの買い替え時期が来たら・・・
ジムニー一択(笑)