「今度の休み、どっか走りに行きませんか?」
バイク仲間のげんきちさんからLINEの着信。
ずいぶん久しぶりだ。
正月に”あけおめ”のLINEしたら、ブルターレの車検が切れて乗れてないということだった。
ようやく、車検を通したみたいだ。
彼と前回走りに行ったのは去年の5月に御岳ツーに行ったきり。約1年半ぶり。
自分は、あまりバイク乗りの仲間は多くない。というか少ない。基本的に大勢で走るのは好きではないので、ツーリングクラブなどには入っていない。知り合うのはブログでつながったり、ツーリングやキャンプの出先でたまたま隣に停めたとか、テントを張ったとかで、話しかけたり話しかけられたとか、そういう偶然の出会いだけだ。
ブログの場合は、つながっても遠方だったりするので、近場でつながればホントに奇跡みたいなモノだ。
そういう意味で、地元(と言っても出身地ではない)のバイク乗り仲間は貴重なのだが、それでも、予定を合わせて一緒に走るのは、さらにハードルが高い。それぞれ仕事をしていたり、家庭があったり、地域の行事があったりで、みな学生時代のように夜な夜な集まって走りに行くような自由がないのが現実だ。
だから、こういうお誘いは嬉しいし、もっとも最近は、比較的自由な時間も取れるようになったので、できるだけ予定を合わせて走りに行くようにしている。
ただし、真夏と真冬はNGだけど・・・本当に最近バイクに乗れる季節がどんどん短くなっていく気がする。
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9月の終わりぐらいまで平気で30°を超えていた気温は、10月に入って急に秋の空気に入れ替わった。
げんきちさんとは、福井県の三方五湖へ行くことになった。過去に何度も敦賀あたりまで出かけたが、一度も行ったことがない。
朝の気温は20°を下回っている。秋物のジャケットに袖を通し、待合せのコンビニに向かって走り出す。少し冷たい風がとっても気持ちいい。
本当に近年の夏はバイクなんかに乗った日には、太陽光とアスファルトの照り返し、エンジンの廃熱で四方八方から炙られているようで、すぐに体力が削られていくが、こういう日はバイクも体調もすこぶる快調で、精神的にもバイク本来の楽しみを堪能できる。
げんきちさんとは20歳も年が離れていて、ふつうに知り合えば友達のように会話することはないだろうけど、バイクやキャンプという趣味を通して知り合ったので、とてもフランクな関係だ。
久しぶりの再会とあって、休憩のたびに30分ぐらい話し込んでしまうので、スケジュールが押し気味💦
ただ、お互い特に帰りが遅くなって問題ないので、その辺りは気の向くままに走ったり、休憩してここしばらくの近況を話したりした。
さすがに1年半ぶりだと、何かしらプライベートに変化があって話は盛り上がる。そう思えば、海なし県民の性(さが)なのか視界に海の風景が飛び込んでくると、なぜか異常にテンションが上がってしまう。元は神奈川県民で湘南は庭みたいに遊んでいたんだけどなぁ・・・
三方五湖には、レインボーラインという人気の観光道路があるのだが、ここが去年の9月から無料開放されるようになったみたいだ。
日本海というと演歌で歌われるような鉛色の暗いイメージがあるが、あれは、北陸から東北にかけての冬の海のイメージで、若狭から舞鶴、そして山口県まで続く海岸線は、起伏に富んで複雑に入り組んだ地形とエメラルドブルーに満ちた海の絶景が広がっている。
標高395mの山頂公園(梅丈岳)からは、三方五湖が一望できるという。せっかくなので行ってみることにした。
駐車料金はバイク300円。リフト、もしくはケーブルカーで山頂まで行くのだが、バイクの人は、その料金が半額の500円になるので、ちょっとお得だ。
公園もリニューアルされたようで、天空のテラスを目玉に謳っている。どうやら恋人の聖地らしい。
カップルでイチャついて話すには、絶好のロケーションにベンチが並んでいる。
男同士だっていいじゃない。マッタリしながらあれこれ話するのも楽しいものだ。ちなみに、周りを見渡しても、家族連れか、観光バスでやってきた爺さん・婆さんが圧倒的に多い。なんだかライダーズジャケット着た男連れでも救われた気がした。
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三方五湖を出てからは奥琵琶湖の方まで回って、木之本から関ヶ原に抜けるルートで帰ってきた。距離にして300㎞ちょっとなのだが、朝7時に家を出て帰ってきたのは夜の8時を過ぎていた。楽しい時はあっという間に時間が流れていく。
若狭と言えば鯖だ。焼き鯖寿司だ。これ、大好物。
いい色。
このシャリと鯖の間に入っている大葉とガリがいい仕事するのよ!
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年の離れた若者とたまに遊ぶのは楽しい。一方で最近知り合ってときどき走りに行くGS乗りのIさんは自分より5つ年上でちょっと先輩。気さくな人でちょっとエッチだ(笑)
50歳を過ぎても、これまでまったく接点のなかったところから、ちょっとずつ新しい人の輪が広がっていくのはいいものだな。その触媒にバイクという道具は、まるで焼き鯖寿司のガリや大葉のようにいい仕事する。
もちろん、みんながみんなつながっていくわけではない。バイク乗りだって気の合わない人はいるし、いつの間にか疎遠になる人もいる。
そういうなかで、つながりが保てている人は貴重な存在の人だ。大事にしたい。
そして今週、また、バイクつながりで、ある人に会う約束になっている。
とても楽しみだ。