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【小説と映画】「夜明けのすべて」の世界観

 

夜明けのすべて・・・

 

夜明けのすべて って?

 

 

 

Audibleで次に聞く小説を探していたときにこのタイトルが表示された。

 

なぜか惹かれた。

 

「どういう意味だろ?」

 

タイトルの詳細をタップする。

 

作品紹介の一番最初に書かれていたのは

 

「知ってる? 夜明けの直前が一番暗いって。」

 

だった。

 

著者は瀬尾まいこ。『そして、バトンは渡された』で本屋大賞を受賞した作家だ。

 

 

Audibleは月額1500円のサブスクで聴き放題。散歩しながら、電車で移動しながら、通勤の車の中でも、本を“聞く“ことができる。

 

 

ネットのニュースサイトも、動画も、X(Twitter)もなんとなく飽きを感じていたときに、このサービスに出会った。プロの声優や俳優が読み上げる小説は、読書とは違う世界観を描き出しテレビドラマや映画に近いが、作り手の世界がそこまで一方的に押しつけがましくなくて、自分自身が想像する情景の余白も十分ある。いい小説を、その世界観に合ったナレーションで聞いた後の読了感(聴了感ともいうのだろうか?)は、その物語の舞台を特等席で観覧したような、なんとも言い表せないような満足感がある。

 

そして「夜明けのすべて」をダウンロードした。

 

*  *  *

 

出版社のホームページにある作品紹介。

 


知ってる? 夜明けの直前が、一番暗いって。

職場の人たちの理解に助けられながらも、月に一度のPMS(月経前症候群)でイライラが抑えられない(藤沢)美紗は、やる気がないように見える、転職してきたばかりの山添君に当たってしまう。
山添君は、パニック障害になり、生きがいも気力も失っていた。
互いに友情も恋も感じてないけれど、おせっかい者同士の二人は、自分の病気は治せなくても、相手を助けることはできるのではないかと思うようになる――。

人生は思っていたより厳しいけれど、救いだってそこら中にある。
暗闇に光が差し込む、温かな物語。

本屋大賞受賞後第一作。渾身の書き下ろし。

https://www.suirinsha.co.jp/books/detail1.html

 

すべてを聞き終えるのに6時間50分。

 

「そんなに長い時間も聞いているの?」と驚かれるかもしれないが、Audibleの小説では標準的。8時間を超えるタイトルもざらにある。でも、物語に没頭すると一晩で聞き終えてしまうこともある。

 

この物語は、大恋愛があるわけでもなく、大冒険も、サスペンスも、アクションもない。大小あれど誰もがさまざまな生き辛さを抱えながら日常生活を送っている。それを主人公二人の人生が交差したところから丁寧に描写し、いくつかのエピソードを交えて心模様が描かれ物語が進んでいく。大雑把に言えばそんな感じだ。

 

そしてこの物語には悪人も、意地悪な人も、そういう人はひとりも出てこない。ただ、主人公(PMSとパニック障害をもつ)ふたりの心の内と、ふたりを取り巻く登場人物との人間模様が描かれている。

 

二人の心の交流は不思議だ。端から見ていればお互い惹かれ合って恋愛感情が芽生えてきそうなもんだが、藤沢(美沙)さんも山添くんも一向にその気はない。でもお互いに気遣っている関係だ。

 

作品の途中で「男と女の友情って成立するのかしないのか」を議論する場面があるが、作者からこういう形もあるんだと教えられたようだ。

 

*  *  *

 

この作品を聴いてしばらく経ってから、映画化されることを知った。

 

yoakenosubete-movie.asmik-ace.co.jp

 


www.youtube.com

 

ああ、これは映画館まで見に行こう、って思った。

 

藤沢さんが上白石萌音で、山添くんが松村北斗か。朝ドラの「カムカム・エブリバディ」で夫婦役を演じた二人だから、映画のキャスティングとしては違和感ないけど。

 

ただ私が想像していた藤沢さんはもう少し背が高くて顔は面長。決して丸顔ではない。山添くんはあんなにカッコよくない。イケメン過ぎるだろ(笑)

 

そして封切られ映画館まで出かけて行った。

 

余談だがイオンシネマには55歳以上は1100円になる割引きがある。
気がつけば自分も55歳を過ぎていた。このくらいの金額だと気軽に映画館にいこうという気になる。

 

映画は原作とだいぶ設定は変わっていたが、世界観はよく表れていたと思う。Audibleで聴けば7時間近い内容を2時間ぐらいで見せるのだから設定が変わるのは仕方ない。大事なのは世界観だ。最近騒がせたドラマの原作者と脚本家やディレクターの件も、実情はよく知らないが、世界観が一致していなかったところに問題があったのだろう。そこは大事だ。

 

映画自体も淡々としたものだった。原作の世界観を知らずに映画を観たら、きっと退屈な映画だと思う人も多いだろう。恋愛もアクションも、ましてや一人も悪人が出てこないんだから。

 

それでも、映画としての評価は高いらしい。観客もそれなりに入っているようだ。小津安二郎の映画を彷彿とさせるという評論家もいるみたいだ。

 

自分自身も原作は原作として置いといて、映画自体は映像や役者の演技も含めて楽しめた。上白石萌音の演技は演技と思わせない日常のなかの女性を自然に演じていた。さすがだ。

 

*  *  *

 

結局、”夜明けのすべて”とは何だったのだろう。

 

その手がかりが知りたくて、映画館を出るときにパンフレットを買った。映画のパンフレットを買うのなんていつぶりだろう?

 

そして、そのまま本屋に入って単行本を買った。Audibleのデータはあるが、現物が欲しくなったのだ。

 

 

パンフレットを隅から隅まで読んで、今度は印刷された活字で読んでみる。そして冒頭の作品紹介の一節。

 

人生は思っていたより厳しいけれど、救いだってそこら中にある。
暗闇に光が差し込む、温かな物語。

 

答えらしきことはなんとなく読み取れる。夜の闇は人々が抱える生きづらさで、夜明けは希望だ。その希望が生きるすべてなのだ。

 

「いやいや。そんな感傷的で薄っぺらいもんじゃないでしょ」。

 

では、「夜明け が すべて」なのだろうか?

 

「が」にすることによって「夜明け」は、すべてを解決する信仰のような感じに聞こえてしまう。夜明けという救いを求めているのか? なんだかしっくりこない。

 

「夜明け の すべて」とすることによって、人それぞれの「闇」と、一人ひとりの「夜明け」があるという感じになるが・・・

 

考えを巡らす。

 

よ・あ・け・の・す・べ・て

 

夜明けというのは、単に朝が来て太陽が昇る意味だけに使われるだけではない。「ニッポンの夜明け」といった、新しい時代が来ることを夜明けともいう。

 

何かうまくいかず行き詰まっていた状況から、何かをきっかけに新しい時代に変わること。

 

「夜明けのすべて」は、すべての人の「新しい人生の夜明け」であって、それは日常の延長線のちょっとした(たとえば人と人との出会いとか)きっかけで人生が回り出すことなのだろうか。それを藤沢さんと山添くんの物語に投影したのか? 

 

だから私は何か新しい自分を欲して、このタイトルに惹かれたのか?

 

私にとっての夜明けとは・・・

 

 

 

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