土曜日の朝。
何年か前からだろうか。歳を取ったのか、休日の午前中いっぱい寝続けるようなことはなくなった。休日の朝でもいつも通りの時間に目が覚める。大体朝6時頃だ。
朝食を食べて、コーヒーを淹れる。外は雨。まだ8時にもなっていない。テレビを点けるも見たい番組もない。こんなときはHDに録画して溜まっている未視聴の番組を見るのにちょうどいい。
* * *
録画一覧の中から映画「シン・仮面ライダー」の制作現場に密着したドキュメンタリー番組を選択する。
あのエヴァンゲリオンの庵野秀明が脚本・監督を務めた仮面ライダーのリメイク版。オリジナルの仮面ライダーは自分が小学生に上がる前に放映がはじまった。夢中で見ていたような気がする。あのライダーベルトのおもちゃを持っている友だちは、いつも遊ぶ公園にベルトを光らせながらやってきては自慢げに変身ポーズをしていたっけな。
このドキュメンタリーがなかなかおもしろくって、淹れたコーヒーが冷めるのも忘れて見入ってしまった。
番組では、絵コンテを作らず作品づくりに臨んだ庵野監督と、そこから生まれる現場スタッフとの認識のズレだったり、監督の求めるモノが現場スタッフに伝わらず、その軋轢や葛藤がうまく映し出されていた。
殺陣指導を行うスタッフは、流れるように敵をバッタバッタと倒していくシーンを演出するが、庵野監督は「ショッカーは本気でライダーを殺そうとしているのか? 殺陣はやっぱり殺陣だ。段取りになってしまう。肉体と肉体がぶつかり合うのがほしい。それが実写とアニメの違いなんだ」と切り捨てる。
いやなんかスゴい。
今の時代、ちょっと強く物言ったりするだけでパワハラだとか言われちゃうから、人間同士気をつかいながら仕事しちゃうじゃない? やっぱりクリエイターっていうか、モノづくりの人たちって、そういうの気にしてたらいい作品が出来ないんだなぁ~ なんて思いながら番組を見終えた。
「シン・仮面ライダー」
サイクロン号がカッコイイ ( ´▽`)
『シン・仮面ライダー』サイクロン号の実車を拝見!! 初代オマージュのこだわりが満載だぁ!│WEBヤングマシン|新車バイクニュース
CB650Rがベースらしい。
この映画が観たくなったぞ。ただ、封切られたのはちょっと前だ。もう上映終わっちゃったかなとネットで調べてみると、近くのシネコンで夜に1回だけ上映されていた。
ネットで予約できたので、そのまま席を予約した。通常は1800円だが55歳以上は1100円の割引価格の設定がある。
「あれ、オレ55歳やん。そんな割引が適用される歳になったんだ」と、なんか微妙な気持ちになった。いや割引はうれしいけど・・・
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夜の7時から上映がはじまった。
入り口で、入場者特典のカードと金属製のプレート(IDタグ)が貰えた。たぶんこれメルカリで売れるな(笑)
(以下、ネタバレ含みます)
映画の冒頭シーンは迫力があった。バイクに乗って逃げる本郷猛とダンプで追いかけるショッカー軍団。
バイクとダンプじゃ勝負にならないじゃん! バイクだったら簡単にぶっちぎれるじゃん! とライダー目線になってしまうが、それじゃ話にならないので受け流す。
そのあと、仮面ライダーになった本郷猛とショッカー軍団の肉弾戦。仮面ライダーがショッカーを殴ると血しぶきが飛ぶ。かなりリアル。いや子ども相手のヒーローものじゃここまでやれないわ。PG12指定になっていた理由もわかる。
冒頭映像が今なら見れますよ!
ただ、そこから先はどうにも???な感じ。「オーグ」だの「ハビタット」など、やたら会話に謎の横文字が飛び交い、戦闘シーンの大部分はCGに置き換えられていた。なんかドキュメンタリーの話とちゃうやん。
人物の描写が少なく、次々と悪役が倒され入れ替わるので、なんか物足りない。
もうちょっと粘って戦えよ!
と思ってしまう。
ラストシーンも、なんとなく次回に続くみたいな終わり方でモヤモヤが残る。
結局、庵野監督はアニメの監督だなと改めて思った。
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帰ってから、ネットで「シン・仮面ライダー」の評価や感想をググってみると、やっぱり評価が賛否両論に分かれていた。
映画としての面白さだったり、ストーリーや人物描写は淡泊だ。
一方、マニアから見れば、ところどころに原作のオマージュが描かれていたり、見ていても気づかないところに「え、そんな大物俳優が出演していたの?」とサプライズがあったり、それなりに楽しめる工夫があったようなのだが、これは、あとから解説動画を見てわかったことだ。いや、それわからんでしょ・・・
そういえば、エヴァンゲリオンもよく意味わからんところあるし、庵野監督自体それほど好きな映画監督ではないかもしれない。ということでハマらないわけだ。
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最近、オーディブルでよく小説を聞いているのだが、その小説が映画化されたものがいくつかあった。「くちびるに歌を」(中田永一 著)も、オーディブルで聞いて映画化されていたのを知った小説だ。中学生が主人公でアンジェラ・アキの「手紙 〜拝啓 十五の君へ〜」をもとに小説化された物語。おじさんになると、若い人たちががんばっている描写だけで泣けてきちゃう。自分の若い頃の気持ちを思い返すんだよなぁ(遠い目)。
早速アマプラで映画を観たが、やっぱり泣けた。
自分は素朴でストーリーに引き込まれる物語が好きなんだと再認識させられた「シン・仮面ライダー」だった。