今頃になって・・・オンラインの仕事が増えている。打ち合わせ、会議、オンラインセミナーなど。
コロナ禍の時に、オンラインが普及してツールもソフトも増えたし設備も整えたりしたのだから、オンラインで済ませることができることは、オンラインで済ませた方がお金も時間も節約になる。
自分の場合、地方在住と言うこともあって東京や大阪に出張することが多いのだが、コロナ禍であまり出張しなくなって「なんか楽だなー」「意外と出来ちゃうもんだな」とはうすうす感じていた。コロナが5類に移行され、対面のコミュニケーションが多くなると、同時にまた出張も増えてきた。
「やっぱりなぁ~」
正直、しんどい。もうあんまり出張したくない・・・お金もかかるし。
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自宅には、ノートPCやモニター、スピーカーなど、オンラインに必要な機材が揃っている。
子どもが成人して家を出ていって、完全にプライベートな部屋もある。作業用にL字型のデスクも買った。
↑ 買ったやつとはちょっと違うけどこんな感じのやつ。デスク上のレイアウトも大体こんな感じ。
もうこれ以上はない!というぐらい在宅ワーク?テレワーク?リモートワーク?(どれが正解?)の環境は整っている。
しかし、長年のサラリーマン的仕事の進め方が骨の髄まで染みついている自分にとって、実は在宅で仕事することに躊躇していた。仕事は会社でするものだと。自宅なんかで仕事をしたら「スイッチ」が入らなくて仕事しなくなるんじゃないかと。
コロナ禍でもずっと出社して仕事していたし、オンラインの時は会議室にノートPC持ち込んでやっていた。
でもオンラインで会議するとき、絶対、ノートPC1台よりデュアルモニターの方がやりやすいし、イヤフォンでやるより、スピーカーから音流して、マイクでしゃべった方がよりリアルでいい。
そこでだ。オンラインの仕事が重なる日は、いや、こういうのを週の1日か2日かにまとめて自宅で仕事をするようになった。
すこぶる効率がいい。
自分の仕事に集中できるし、時間配分も自分のペースでいい。昼休みを長めにとって夜遅くまで仕事したりもできる。なにより移動がなくなって身体も楽だ。オンラインの講演やセミナーも積極的に参加しやすくなったし、つまらないプログラムは途中で抜けやすい。
週2日ぐらいのテレワーク(在宅ワーク)によって仕事が効率化すると同時にストレスも減った。
会社にいると、部下の相談やトラブルに対応したり、社員の会話がうるさくて集中できなかったりすることが多い。その一方で、自分がいなくても通常モードであれば社員はそれなり仕事を回せる。自分よりうまくこなせる社員も増えた。だから任せるところは任せている。
よく言うじゃない。社長の仕事は「自分がいなくても回る組織を作ることだ」って。あたしは社長じゃないけど。
トップの仕事とは、経営判断したり、新規の事業を考えたり、得意先との信頼関係の構築や強化だったり、大概通常業務以外のことだ。
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ただねぇ~ 社員までテレワークを認めるとなると話は別だ。実際、コロナ禍にあれだけテレワークと騒がれたが、実際に行っていたのは、コロナ禍でも3割程度。今では15%ほどだ。
いろんな社員がいる。見ていないととんでもない方向に行ってしまったり、延々と仕事が進まないのに順調のように装ったり。
ハード面の課題もある。コピーやプリントアウトも必要だし(在宅ワークでコンビニとかでコピーされるとコスト跳ね上がる)、外部に出す書類は事前チェックも必要だ。口頭で不備を注意したり、伝えたりする方がいい場合もある。会社組織において、すべてテレワークで完結できる仕事なんてそれほど多くはない気がする。たぶん上の数字はそれを物語っているのだ。
アップルやGoogleなどテック企業ですら、オフィス勤務に戻る企業も増えてきたみたいだ。
とはいえ、子育て中の女性社員だったり、いや、今どき共働きの男性社員だってそうだ。柔軟に時間を調整できる在宅ワークの方が働きやすいという人もいる。いまや在宅を認めないなら転職するという人もいるだろう。世の中、どこも人材不足だ。せっかく育った社員に辞められるのは痛い。
個人の事情に合わせて柔軟に、となれば管理が複雑になる。あの人はOKであの人はNGとかにすると、一気に不平や不満が噴出しやすい。そんなの経験済みだ。部署ごとでも出来る出来ないはある。月~金、9時から5時まで(うちは5時30分)と一律にした方が管理する方は効率的だし、条件が一律なら社員間の不平や不公平も出にくい。たぶん出社に切り替える企業が増えたのは、そんな理由に収斂されるような気がする。
自分のことは棚に上げて・・・だが、組織というのはその大小にかかわらず何かを変えようとすればするほど複雑で面倒くさいものだ。逆にこんな単純なことが「成功の罠」の正体かもしれない。