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【Audible】音声と活字で紡ぐ贅沢な読書体験

 

最近、出張で電車や新幹線に乗っているとき、スマホでYouTubeの教養系番組や書籍の要約チャンネルなどをバックグランド再生で聞いたり、Voicyなどの音声プラットフォーム(誰でも放送できるラジオみたいなもの)を聞くことが多い。音声だけだと動画より圧倒的に通信量が少ないので、ギガの節約にもなるし(笑)

 

以前は音楽を聴きながら本を読んでいることが多かった。この場合は音楽自体を楽しむというよりは外からのノイズを遮るための音楽であって、逆に音楽が邪魔をして本に集中できなくなることもしばしばあった。

 

自分には聴覚過敏の症状があって、無秩序に聞こえる人の話し声やさまざまなものから発せられるノイズに弱くストレスを感じてしまうのだ。

 

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ノイズキャンセリング機能のイヤフォンで聴く音声ソフトは外界のノイズに邪魔されず話の内容に集中できるので、電車に乗っているときなどの隙間時間に新しい情報を得たり、著名人や有識者の多様な考え方に触れて自分の知識や思考をアップデートできたりと時間を有効活用できる。何より荷物が重くなる本を持ち歩かなくてもいいも利点だ。

 

*  *  *

 

少し前にAmazonのトップページを開いたらで「Audible」というオーディオブックサービスの2か月間無料体験キャンペーンが行われていた。

 

「オーディオブックか」

 

 

YouTubeの番組だと、長くても1時間弱、多くは10~30分くらいなので、長距離の移動だとすぐに別の番組を探さなければならないし、音声で楽しめる好きなチャンネル(日経テレ東大学や中田敦彦のYouTube大学、サラタメさん、フェルミの望月りんちゃんなど)は大体視聴してしまった。News picksもプレミアム登録しているが(これはうっかり無料期間を過ぎて解約するのを忘れて年間契約してしまった・・・)興味のある番組が頻繁にアップされるわけでもない。

 

オーディオブックだったら本まるまる1冊を読み上げてくれるので、短くても数時間はある。よさげだ。

 

どんなラインナップがあるかを見てみると、前から読みたいと思っていた小説があった。

 

『同士少女よ、敵を撃て』

 

 

この本は、ドイツとソ連が戦争をしていた1940年代、ソ連の赤軍が女性ばかりの狙撃部隊を編成し前線で戦った物語だ。昨年アガサクリスティー賞を受賞し、今年4月には本屋大賞の大賞にも選ばれた作品でもある。

 

折しもロシアとウクライナが戦争をしているさなかで「ロシア軍のルーツ」や「戦争の現実」を理解する作品としても時宜を得ている。ぜひ読んでみたい作品と思っていた。

 

どうせ2か月無料だし、あんまり使わなければ無料期間に解約すればいいと思い「Audibule」の申し込みをしてアプリをダウンロードした。

 

早速聞いてみると音声は合成音ではなく生身の人(女性)がきちんと朗読してくれていて聞きやすい。会話の場面では、登場人物ごとにキャラクターがあって声も変わり臨場感もある。ただ、難点は音声だけで物語を追うのは意外と難しいこと。

 

それに、この本は原著でも四六判で496ページもあり、このアプリで1冊読む(聴く)には15時間34分もかかる。もちろんぶっ通しで聴くわけにもいかず、途切れ途切れに聴くことになるが、先がわからないので区切るタイミングも取りにくく、続きの話を聞くときに前に戻ってあらすじを振り返るのもやりにくい。

 

「うーん」(。_。)

 

で、

 

結局

 

単行本を買ってしまいましたよ (^_^;

 

 

*  *  *

 

単純なストーリーの物語やYouTubeの解説、対談なら活字や動画がなくとも音声だけでほぼ理解できる。しかし、ある程度コンテンツにボリュームがあったり伏線のある小説だと音声だけでストーリーを追うには限界がある。やっぱり活字を読んでその景色やシチュエーションなどの場面を頭の中に描いたり、登場人物の心情だったり動きだったりを想像する間が欲しいのだ。

 

今回は、せっかくなので音声を聞きながら活字を追う読み方をしてみた。

 

ベッドに寝そべって、枕元にiPadを置き本のページを開く。iPadのスピーカーはショボいので、音声はポータブルスピーカーをBluetoothでつないで流すようにした。

 

 

 

「ああ! こりゃ新しい読書体験じゃ!」

 

活字と音声。目と耳から情報を得るのは動画と同じだが、目からの情報が絵ではなく活字になるとまったく別の世界があった。動画などの視聴は一方的で受動的だが、目からの情報が活字になるだけで自分の想像力だったり解釈などが入り込む余地があって能動的になるのだ。

 

それでいて、オーディオブックの音声だけでは理解できない場面設定や情報も、本から地図やイラスト、写真などで補足されるので理解しやすい。

 

 

このように、主人公のいる戦場の地図があると物語の進行も追いやすい。

 

 

また、行間だったり、フォントの違いは音声で表現できない。

 

 

章扉に続いて本文ではなく、別の本からの引用だったり、コラムがあったりしても、音声だけだと突然すぎてすぐにそれだとはわからない。やっぱり本は必要だ。

 

*  *  *

 

活字をメインに物語を追って、音声でより登場人物を立体的に膨らましていくのが基本的な楽しみ方だ。一方で音声が非常に有り難いときもある。

 

例えば難読な漢字。これまでなんとなく字面だけでわかった気になって、読み方を気にせず読み進めることがたびたびあった。それが「そうか。この漢字はそうやって読むんだ」と知ることになったり、言葉の意味さえわからない単語や熟語は正直すっ飛ばしていたが、読み方がわかればその場でiPadで検索して調べたりできる。

 

例えばこんな熟語「無知蒙昧」←この読み方と意味わかります?

 

また、この小説の舞台はソ連(ロシア)で、地名や人名の響きに馴染みがないので読んだり覚えたりするのに苦労する。ところが朗読をしている人は長い登場人物の名前をスラスラとよどみなく読み上げる。素晴らしい。これこそプロの仕事だ。例えば主人公のフルネームは”セラフィマ・マルコヴナ・アルスカヤ”だ。活字だけで1回読んでも覚えられる自信はないが音声も一緒に聴くと不思議とスッと頭に入ってくる。実は長いカタカナの名前や地名を覚えるのが苦手で西洋史は大嫌いだった。もし、活字と音声の勉強法みたいなものが当時あったら、西洋史も苦手な科目ではなかったかもしれない。

 

 

 

*  *  *

 

今回聴き始めた(読み始めた)小説はなかなかの大作で、旧ソビエトと(自分は)地理も歴史もそれほど詳しくない国が舞台だったので、図らずもオーディオブックと活字の単行本という贅沢な読書の形となり、かなりストーリーの理解が進み物語自体の文脈にも興味を持って引き込まれていく。

 

半分ぐらいまで読み(聴き)進めたが、たとえて言うなら長編の映画を見ながら原作の本を読んでいるような感覚かな。いや、それともちょっと違う。読書がメインで、そこに臨場感を加えた感じだ。特に戦闘場面の描写は活字だけよりリアリティがあって、戦争の残酷で残忍な情景が心に映し出され「心がえぐられる感覚」になる。決して心地よくはないがそれでも止められない。

 

読書好きな方。一度、騙されたと思ってやってみてはいかがだろう。結構ハマるよ。

 

 

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