東海地方は6月中に梅雨が明けた。
物心ついてから6月に梅雨が明けた記憶なんてない。子どもの頃は夏休みがはじまる少し前に梅雨明けするのが通常だった。だから7月初旬に始まるプールの授業は寒くてみんな唇を紫色にしていたもんだ。たまに梅雨明けしないイレギュラーな年もあったが、こんなにも早く短い梅雨明けなんて聞いたことも経験したこともない。
やっぱり季節とか天候とか気温とか、いろんな経験値として体に染みついたものの感覚・・・当たり前と思っていた常識がズレてきている。これは科学がどうだとか、確証がどうだとか、CO2が気候変動の要因かどうかとか、なんだかんだ世間に意見が渦巻いているが・・・
確実に気候変動は起きている。6月に40°とか未だかつて経験したことないから!
ね。
で、話は変わって。
最近、どうしても朝早く目覚めてしまう。特に夏至のころは日の出も早いので、それに合わせて目が覚めてしまうのだ。歳なのか?
土曜日は仕事が休みなので朝ゆっくり寝ていたい。でも、やっぱり5時半には目が覚めて、2度寝しようと目をつぶっても5分と寝ていられない。
それに梅雨明けして、狂気じみた猛暑が続いていたのでよく寝汗をかく。Tシャツを着替えようと起き出して。よし、ついでだ。
「ふとんを干して、シーツや枕カバーを洗濯しよう!」
朝も早くからシーツやカバー類を剥がしてTシャツと一緒に洗濯機に放り込む。ベランダの桟を雑巾で拭いて布団やマットを干す。
後は朝ご飯作って食べて茶碗を洗って。そのあと軽く掃除機かけたら、もうやることはない。
「あ~ぁ。今日も暑くなりそうだから、山に行ったら暑さで倒れそうだし、このまま1日クーラーの効いた部屋で缶チューハイ飲みながらYouTube三昧コースだなぁ」
別にそれでもいいんだけど。もうブログもサボりがちだし、なんかいろいろと面倒なことが多いし。ひとりで引きこもっている方が気が楽だし。
* * *
ソファーに寝転び、なんとなくスマホを眺めていたら、楽天トラベルの広告に目が留まる。そうだ。県民割りが延長になったんだ。まだやっているんだっけ?
高山辺りのホテルや旅館を検索すると、よさそうなリゾートホテルがあった。
「ホテル・アソシア高山リゾート」か。
高山の市街地からは少し離れた丘の上に建つホテル。
「うわ、よさげな温泉もあるじゃない。なになに?」
《ライダー歓迎!屋根付き駐輪場有》自然の中を駆け抜ける!朝食付きプラン
こんなライダー歓迎プランもあるのね。でも、まさか今日の今日で空室はないんでしょ?
そしたら田中要次が出てきて「あるよ」って(笑)
朝食付きで県民割り使えば1万円以下。さらにクーポンで2000ポイント付き。たびたび使わせてもらってます。ぎふの旅キャンペーン。
早速ポチって、とりあえず着替えとかタブレットとか、読みかけの本とかをバッグに詰め込む。
午前11時ごろにはシーツや枕カバーは乾いていた。ふとんやマットも十分陽に当たっただろう。高山までは、下道で行っても3時間ぐらい。途中で昼飯食っても十分時間はある。
ボンネビルにツーリングバッグとトップケースを装着して
さあ! 走りだそう!
156号線を郡上方面に向けて北上する・・・けど
ボンネビルのエンジンから放射される熱が容赦なく足下を襲ってくる。熱いよ。実は夏はバイク乗りにとって厳しい季節なんだよね。(;´Д`)アチ-
途中、旧美並村にある「しょうりゅう」さんで昼食。ここ、地元では人気な中華屋さんでボリュームがあってウマいし安い。
メニューから中華定食を頼んだけど、ふと壁に掛かる黒板を見ると
「本日の限定ランチ!」
うわ、こっちの方がウマそうじゃない。
「お姉さん!」と大声で呼んで間一髪のところで限定ランチに変更してもらった。
最近、太り気味なんで、炭水化物とか揚げ物控えていたんだけど・・・今日はいいか(汗)
* * *
やまびこロードからひるがの高原に抜けて、国道158号線で高山をめざす。標高が1000メートルを超える道。さすがに風が涼しい。もう下界に降りたくない(笑)
ホテルのプランで夕食は付いてないので、外食するか何か買って部屋で食べることになる。ひとりで外食するのも寂しいし、市街地まではシャトルバスに乗らなくてはならない。考える間もなくホテルに着く手前のコンビニでビールやつまみを買い込んで、ホテルにチェックインする。
基本、温泉に浸かったあとは、部屋でまったり飲みしながら動画を見たり本を読んだりするつもりだった。
部屋はダブルのシングルユースで結構広い。
窓からの眺めも最高だ。
窓際のソファーに腰掛けて早速1本缶チューハイを空けた後に温泉へ向かう。
北アルプスを眺めながら浸かる温泉はマジでよかった。あれは笠ヶ岳か。5年前ぐらいに登ったな。その横が槍ヶ岳。奥穂に前穂。。。憧れの山ばかり。風呂はそれほど混んでいなくて贅沢な時間だった。
風呂から上がったら、こんなテラスで一休み。
温泉棟には軽食や生ビールがいただける食堂がある。ぎふ旅コインが使えるので、ポイントを使って生ビールとハーブソーセージをいただく。
あとは部屋でゴロゴロ~ ゴロゴロ~ ってしている内に眠ってしまった。
* * *
翌朝。
窓からは北アルプスの背後から登るご来光を拝める。
寝起きのまま朝風呂を楽しみ、朝食にする。
朝食はバイキングだけど、一品ずつ小鉢や小皿に小分けされていて、トングや箸でとる必要はない。あれ、意外と面倒で綺麗に盛り付けられないから好きではない。これはコロナ対策なんだろうけど、いろんな種類を少しずつ楽しめるのでいいね。この形式をデフォルトにして欲しい。
※写真は撮ってないので、拾い画像でイメージ。
種類は豊富で、なんとエッグベネディクトがあった。これは珍しいね。家ではこんなにうまく作れない。さすがリゾートホテルの朝食だね。
* * *
チェックアウトは12時で、特に予定のない日曜日だからもう一回温泉入ったりギリギリまで部屋でくつろごうと思ったんだけど・・・
「なんか、雲が厚いな? 確か今日まで天気がいいはずなんだけど?」
天気予報のアプリを開いてみると・・・
Σ(・∀・|||)ゲッ!!
( ゜A゜;)マジ?
ノ( ̄0 ̄;)\オー!!ノー!!!!
雨・・・聞いてないよ~!!!!
まだ、高山市内は降っていない。とりあえず降っていない間に走れるだけ走ろうと、荷物をまとめてチェックアウトする。
下だけレインウェアを履いて出発する。もうコースは最短距離。せせらぎ街道で郡上まで行って、郡上からは東海北陸道に乗ってしまおう。
せせらぎ街道に入ってしばらくするとシールドにポツポツ雨粒が当たる。
「この辺で上もウェア着よう」
たぶん、もうシャッターの開くことのない商店の軒先にバイクを停めて、ウェアを着込む。今回はMOMOのハーフメットだったので、口元に直接雨粒が当たらないようにウレタンのマスクをする。こういうのコロナじゃなければ持ってないよね。よかった。
バッグはカヌーとかでも使えるような防水バッグなので問題ない。
ほどなくして、道は山間のワインディングになり、雨脚が強くなってくる。久しぶりの雨の中のライディング。
基本的に雨の日は乗らない。いつの頃からか降水確率が40%を超えたら乗らないと決めていた。バイクを汚したくないし、自分も濡れたくない。軟弱なライダーだ。
雨は土砂降りになり、前を走るクルマの水しぶきも激しくなってきた。標高が1000メートルを超える西ウレ峠の気温計は14°を示していた。涼しいを超えて寒いくらい。
でも、なんだか気持ちがいい。これだけ雨に打たれれば気持ちも吹っ切れるし、足下からのエンジン熱の放射もない。むしろエンジンが程よく冷やされて(天然の水冷?)調子もいい。
雨の日のライディングって、なんだか「がんばってる」感があって、だんだんテンションが上がってきて楽しくなってくるんだよね(夏季限定だけど)。
高山から家まで約120Kmをノンストップで走り抜けた。
退屈な休日を送るはずだったけど、思いがけずまったりからの刺激的な休日になった。
クルマは別に軽でも構わないけど、やっぱり大型バイクは手放せないね。