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紙の書籍のは、電子書籍に取って代わられ、いずれ嗜好品になっていくのだろうか?

 

前回の記事で、ふっと本棚に目をやって何気なく手に取った「わたせせいぞう」の本。パラパラとめくって昔の、若い頃の自分をを思い出した。

 

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やっぱり紙の本はいいな。気軽にふっとに手に取ることができるのは紙の本ならではだ。

 

30年以上前に買った本。そんな昔の本でも、日の当たらない、しかし、風通しのよい部屋で保管していたのがよかったのか色あせることなく、比較的きれいな状態を保っていた。

 

*  *  *

 

最近は、かなり電子書籍も普及してきて、自分もときどきKindleで購入することがある。買うのは実用書とかエッセイとかが多い。内容がすぐに古くなるようなものや、ちょっと暇なときに読めるような感じのものは、もう電子書籍でいいかなと思う。

 

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あとは雑誌の類。もう何年も雑誌を買ったことがない。5年ぐらい前は山の雑誌やバイクの雑誌を毎月楽しみに買っていた。ところが、dマガジンのような電子で読み放題のサービスがはじまると、ほんの数百円でいろんな雑誌が何冊も読めてしまうものだから、わざわざ本屋で買うこともなくなった。本屋も大変だろうな。

 

実際、街の本屋は壊滅的に激減し、コンビニの雑誌コーナーも昔に比べると随分とスペースが小さくなり種類も減ったように思う。

 

もう、速報性だったり、流行を追いかけるような情報は雑誌からネットに取って代わられている。幾つもの雑誌が休刊したり、雑誌主体の出版社がバタバタと倒産している。バイクやクルマ、アウトドア系の雑誌を出版し、あの『RIDERS CLUB』の版元だったエイ出版が民事再生法の適用(事実上の倒産)を受けたのは、自分にとってかなり衝撃的だった。けど、「やっぱりそうなるだろうな」とも思っていた。

 

newswitch.jp

 

新聞もかなり部数を落としていると言われているし、テレビ局も広告がネットに取られて売上が毎年下がり続けているようだ。すでにメディアの多くはネットに置き換わってきている。

 

コロナの感染拡大で、小中学生や高校生にもオンラインで授業が受けられるようにタブレットが配られている。電子教科書がこれから主流になってくるだろう。電子は電子でよい面もたくさんある。重たい教科書を何冊も持ち歩かなくて済むし、動画を埋め込んだり、リンクを貼って関連事項をすぐに調べられたりできる。これは紙の本にはないメリットだ。

 

 

 

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ただ、やはり紙の本は電子にはない良さもある。コーヒーや、夜お酒を片手にじっくりページをめくりながら好きな作家の小説を読むのは自分にとって至福の時間だ。特に上製本(ハードカバー)の本は、装丁のデザインも美しく、印刷も箔押しや特色インクを使ったりして手が込んでいて見ていても楽しいし指に触れた感触まで楽しめる。また、見返しの紙がデザインの入ったアート紙だったり、本文紙も厚さや手触りなどのこだわりを感じたりする。見出しや本文のフォントもたくさんの種類の中から編集者が考え抜いて紙面のレイアウトや文体に合ったフォントを決めているんだろう。本当に日本の書籍のクオリティは非常に高い。

 

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最近買った研究書。まだ若い研究者だが緻密に論点が整理され結論を導き出したいい論文だった。

 

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学生の頃に買ったテキスト。

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初版は1960年。今でも大事にとってある。資料としての価値も高い名著。

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活版印刷の活字は素朴だけど味がある。ちょっとしたかすれ具合がいい。

それに比べると、電子書籍は読めさえすればいい訳で、なんとも無機質で味気ない。だから自分は好きな作家や専門書は紙の本を買うようにしている。

 

ところで、「なんでただの紙に印刷した本がこんなに高いの?」なんて思っている人が多いんじゃないかな。本が出来るまでの工程にはいろいろな人の手がかかっている。著者と編集者のやり取りから始まり、原稿が出来てから本になるまでに装丁のデザイナーだったり、写真が入ればカメラマン、イラストレーター、組版、印刷など思ったよりも人の手を介していて、そこから取次(本の問屋みたいなもの)や書店に配本する輸送費だったり、その中間マージン、そして著者に払う印税など様々なコストをかけて読者の手に渡る。もちろん編集者の人件費だってある。

 

デジタルになると、印刷代もないし、取次、書店などがすっ飛ばされて、中間マージンも流通経費もなくなるから、かなりコストは圧縮される。出版社としてはそれでいいのかもしれないけど、それじゃwebの記事や、言ってみればブログとも変わらない。出版物がそんな土俵で扱われるのはちょっと悲しい。

 

それでも、いずれお金と手間暇かけて創られる紙の本は嗜好品となっていくのだろうか。

 

 

 

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本棚に並ぶ背表紙を眺めていると、「ああ、この本には助けられたし、すごく勉強になったな」「この小説は感動したな」みたいな感情がわき上がってくる。

 

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本棚に並んだ本を眺めていると、自分の歩んだ道が見えてくるよう。これらの本はごく一部で、入りきらない本は段ボールに詰めて押し入れにしまってある。書庫が欲しいな。

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宮本輝の小説は高校生の頃から好きで、今でも読み返す。

ディバイスのアプリに並んだ電子書籍のラインナップを眺めてもそんな感情はみじんも湧いてこない。そしてサービスが終了したり、新しいディバイスや記憶媒体が出来て読み込めなくなってしまえばそれで終わり。儚いよね。

 

1400年代に活版印刷が発明されて以来、人々に知識や知恵、そして文化を伝え続けてきた紙の本がなくなってしまうのは悲しい。

 

これはおじさんの単なる懐古主義? ノスタルジーなのだろうか? みなさんは、紙の本がなくなってもいい派、それとも紙の本で読みたい派?

 

 

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