ヘルメットを新調しようと思った。
ジェット型のヘルメットだ。
ツーリングなどに行く際は、SHOEIのGT Air(フルフェイス)を使っているが、脱いだり被ったりするときに結構顔面が擦れるので、ちょっと出かける際にはあまり使い勝手がよくない。
さらに、夏は「暑い!」
そこで2年ほど前に、そのスタイルに一目惚れしてMOMOデザインのジェットヘルメットを購入した。これは脱着も楽でちょっと乗るには重宝していたのだが、シールドが顔の半分までしかなく(それがカッコいいんだけど)、風の巻き込みが凄いのと、インナーバイザーがないタイプだったので、晴れた日にサングラスをすると、シールドとサングラスのダブルUVカットのせいなのか、「変な色」で世界が見える・・・ そのうち目が回ってくる。
MOMOデザインのラージシールドも別売りであるのだが、さすが舶来品というか、シールドだけで1万6200円といいお値段する。
で、だ!
ちゃんと夏場のロングツーリングにも使えて、インナーバイザーのあるジェットヘルメットを買おう。
そう思って、先にMOMOデザインのヘルメットをオークションに出した。あまり使ってなかったので状態はいい。思っていたよりも高値で売れた。
* * *
ずっとヘルメットは「アライ」派だった。デザインも好みで内装の質感や肌さわりも好きだし、なにより自分のアタマによくフィットする。昔SHOEIのヘルメットは、とにかく頬のあたりが押しつぶされる感じが好きになれなくて自分には合わなかった。
ところが、内装式のサンバイザーに惹かれてGT airではじめてSHOEIのヘルメットを被ったが、昔ほどフィット感も悪くないし、デザインもいいじゃない。
当然、ジェットヘルメットもSHOEIにしようと決めて、ネットを検索すると・・・
あれ?
ネットショッピングにまったくSHOEIのメットが出てこない。出てくるのはシールドなどのオプションばかりだ。
おかしい? どういうこと?
調べてみたら、どうやら2019年4月からSHOEIの方針として、正規販売店でしか販売できないようにしたらしい。
認定を受けたアドバイザーのいるお店でフィッティングして販売するのが基本。さらにアフターサービスの受付体制のあるお店しか商品を卸さないみたいだ。
その代わり購入から3年間の保証書がついてきて、不具合による部品の交換などに無償で応じてくれるという。
ある意味、顧客満足度(CS)を高めるための戦略だ。アライも同じようなサービスを提供している。が、商品を卸さないという厳しい姿勢までは取っていない。
* * *
ああ。そうか。
今って実店舗で試着して、家帰って割引率の高いネットショップで買うという購買スタイルが定着しているじゃない。そりゃ実店舗にしてみたらたまったもんじゃないよね。実店舗はお店構えて,在庫抱えて、人件費だってある。そりゃネットショップに比べてコストは段違い。当然値段にも跳ね返ってくる。
家電なども同じだ。
今どき、バイク乗りの人口なんてたかが知れている。ネットで安く大量に販売するより、単価を上げても一人ひとりの顧客に向き合って大事にしていく方がブランドとしてもプレミアがつくし、販売店の利益にもつながる。ネットショップなんて、値段勝負みたいなところがあるから、どこも同じで参入も多いが撤退も早い。唯一webikeだけは、ネットショップで正規販売店の認証を受けたみたいだけど。SHOEIとしては、顧客との接点が濃い実店舗を構えるショップを大事にしたい気持ちも分かる。
消費者としては微妙だけど。。。メットは高い買い物だし。ネットで買えばポイントが大分ついてくるので、割引以上にお得感がある。わざわざ遠くの店舗まで行く必要もない。
どちらが正解などと答えはない。行き着くところは最適化された売り方・買い方が残っていくんだろうな。
ネットは便利だけど、ビジネスとしては難しい時代になった。
(つづく)