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【雨はこれから】東本昌平の世界観はオヤジになって滲みるもの

 

出張の予定が入った。今回は静岡へ。

 

名古屋から静岡へ新幹線で行くには「こだま」に乗ることになる。静岡に停車する「ひかり」もあるが、本数は少ない。

 

「こだま」で静岡へ行くには約1時間半の乗車時間だ。東京へ行くのとさして時間は変わらない。「こだま」は各駅で「のぞみ」や「ひかり」の通過待ちでやたら駅での停車時間が長い。けれども列車に乗っている時間は嫌いではないから別に苦にはならないけど。

 

出張の移動時間の暇つぶし。最近、これといった本やオーディオブックが見つからない。

 

そこで目に入ったマンガ。

 

ミスターバイクBGに連載されていた「雨はこれから」(作:東本昌平 )。

 

 

バイク乗りなら誰もが知っているあの「キリン」の作者だ。

 

Kindleで「試し読み」を開いてみる。

 

主人公は57歳の中年オヤジ。同い年だ。勤めていたテレビ局を辞め漫画家をめざすも出版社からは相手にされない。 悶々とした気持ちを抱えながら愛車のSRを駆って当てもなく走っていると、廃屋になったドライブインを見つけける。そして、そこを借りて棲みついてしまう。

 

そこから始まる様々な人間模様。

 

「なんか心に刺さる設定だな」

 

彼が描くバイクはとてもマニアックだ。そう。自分が若い頃によく走っていた古いバイクが多い。もっと古いバイクもたびたび登場する。そして描かれるカスタム具合がいいのだ。

 

 

*  *  *

 

「雨はこれから」は10巻まで発売されている。紙の本を買ってコレクションとして本棚に並べるのもいいが、あいにく自分の本棚はいっぱいだ。だから最近紙の本を買うときは「本当に紙で手元に置いておきたいかどうか」かなり吟味して購入している。

 

結局Kindleで購入した。購入ボタンを押してすぐ読めるというのもあるが、持ち運びが楽でタブレットにダウンロードすれば10巻まとめて持ち運べる。出張の移動中に読むにはちょうどいい。

 

それにタブレットだと、字も大きく絵も見やすい。老眼のオヤジにはピッタリだ。

 

 

 

 

*  *  *

 

セパハンに改造されたSRを駆る主人公の松ちゃん。

 

渋く、孤独を愛し、人を寄せ付けない風貌に描かれているが、なぜか松ちゃんの周りには人が集まってくる。鬱陶しがるそぶりを見せてはいるが、まんざらでもない様子。基本的に松ちゃんは優しいのだ。

 

そして、集まる人々はみんな松ちゃんが好きだ。

 

それでも、松ちゃんの心はスカッと晴れない。自由に生きているようで過去を引きずり、「本当にこれが自分の生きたい生き方なのか?」と自問する。

 

物語は1話1話も短く単調といえば単調だ。

 

ただ、主人公の気持ちは痛いほどよくわかる。憂鬱な中年と松ちゃんの周りに集まる若者たちの根拠のない自信と眩しい生命力。対照的で若者が羨ましくもあり、時としてその若さが目障りなのだ。

 

主人公に自分を重ね合わせて、話と話の間に画面から目を上げて「自分も思い当たることあるなぁ」と考え事をしてしまう。

 

松ちゃんほどカッコよくはないけど。こんな暮らしに憧れている自分。自由になりたいけど、自由になったところで、時間を浪費するだけじゃないかという不安な気持ち。第一暮らしていけるのか?

 

松ちゃんの生き方。滲みるなぁ。

 

オレも思い切って辞めちまって、捨てられるものは捨てて、身も心も軽くして、走り出してしまえばいいじゃなか。

 

松ちゃんみたいに。

 

なんてね。

 

*  *  *

 

そして、社畜のリーマンは帰りの新幹線の中で生ぬるい缶ビールを煽って続きのページをめくるのであった・・・

 

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