みなさんは、生命保険に入っていますか?
また、どのくらい掛け金払っていますか?
* * *
先日、1つだけ入っていた100万円の終身保険を解約した。これで、すべての生命保険を解約したことになる。残っているのは、外貨建ての個人年金保険だけだ。これも所得控除のための最低限。10年前に入ったので最低保証利率が2.75%と、今の低金利を思うとちょっと得かも知れない。
結婚して子どもが生まれたころ、30代前半にはケガや病気、そしていろんな特約もつけて月2万円近い生命保険に入っていた。
ただ、自分で考えて入ったわけではなく、生保のセースルレディに言われるがままのプランに入っていただけだ。あの当時、インターネットも今ほど情報はなく限られていたし、子どもが小さいというのもあって、何かあっても家族が困らないようにと、かなり厚い保障を掛けていた。
それから月日が流れ、子どもたちも大きくなり、自分に何かあっても家のローンは団信でチャラになるので家は残るし、多少の貯蓄と資産運用のお金も残るので、50歳を過ぎた今は、もう必要ないだろうと判断した。
100万円の終身保険も、実は最初に入ったときはいろんな特約や医療保障も付けていて、結構な額の保険料になっていたのだが、あれもいらない、これもいらないと外していったら、主契約はこんなちっぽけな保障だけだったので驚いた。特約はほぼ掛け捨てに近い。随分とボラれていたもんだ。
生命保険は貯蓄にもなるというが、掛け金がまるまる残るわけではない。保険会社の手数料で結構な割合が引かれていて、それがいくらなのか、何%なのかがわからないようになっている。
そりゃ、保険会社は人件費に広告宣伝費をふんだんに使って契約を集めているんだから、相当じゃない。聞くところによると4割ぐらい持っていってるらしい。
また、よく若いうちに保険に入っておくと保険料が安いとセースルレディはいうが、若ければ保険事故(ようは支払)の率も低いというのもあるが、実際は若ければ若いほど加入期間も長くなるので、その分安くなるという意味だ。ちょっと乱暴なたとえだが、100万円満期の保障で支払回数を120回にするのか、半分の60回にするかの違いで、支払回数が少なければ1回あたりの保険料が高くなるという単純な理屈だ。基本的には若いから安いと言うわけではない(もちろん保険事故率とかも関係するけど)。
最近では、このように、ちょっと調べればその実情がわかってしまうし、貯蓄性の保険は手数料も高くリターンが少ないので、だったらノーロードの安い手数料の投資信託でも買っておいた方がいいと言われるようになった。
保険をたっぷり掛けて安心しているのは、情弱のカモぐらいの言われようだ。
自分も、少し前まではそうだったし、カミさんは心配性でとにかく保険を掛けたがった。自分が家計を管理するようになって、情報を集め、所得控除のための生命保険控除枠ぐらいの本当に必要なものだけ残して、余計な支払を極力減らして投資に振り向けた。
おかげで、いまではもしもの時の保険金より高いリターンが得られている。
日本は、なんだかんだ社会保障は手厚い。基本、病気やケガは公的医療保険だけで何とかなってしまう。それをあれこれ不安を駆り立てて、高い保険に入らせようとするのが民間の保険会社だ。
保険ってね。一度加入するとなかなか見直しってしないじゃない? どんな保険に入っているかさえ忘れて、毎月口座から引き落とされていく。
本当に必要な保険は、自分ではどうにもならない大きな損害や過失にだけ備えて入っておけばいいものというのが正解なのかもしれない。例えば自動車の任意保険がそうだ。1回の事故で数億円単位の補償をしなければならないことだってある。だから自動車の任意保険は絶対必要だ。あとは火事や地震、水害とかダメージが大きいもの。だから火災保険や地震保険は必要だと思っている。
それ以外は、基本必要ないはずだ。もし病気やケガに備えるんだったら、県民共済とか掛け捨ての安い保険でいい。月々2000円ぐらいなもんだ。共済は割戻金もあるので、実質の掛け金はそれ以上に安くなる。
* * *
世の中ね。あれやこれやと企業が私たちの財布の中身を狙っている。まあ、自分もYahoo!やAmazon、YouTubeなんかのサブスクに入っているので、結構やられっぱなしかも(汗) それでも、それらのサービス自体には満足しているし、暮らしが便利で豊になれば、それは払う価値があるし納得もする。
もしも、という不安を煽って高い手数料をふっかける生命保険を何も知らずに何十年も払い続けていたのは、今思えば腹立たしい。そういや入院したことないので一度も保険給付ってもらったことないや。
ただ、所得控除の生命保険控枠が残ってしまうので、月2000円の県民共済の医療保険だけは入っておこうと思う。
50歳を過ぎれば、そんなもんで十分じゃない? 一度見直しされてみてはいかがだろうか?