娘のいる父親というのは、基本的にムスメに甘い。
これは仕方ない。同性の息子だと、将来自立して生きていけるよう厳しくなってしまうのだが、異性の娘は、ただただ「守るべき」存在なのだ。
逆に母親にとって息子とは、いくつになっても世話を焼きたい存在だ。親というのはそういう生き物なのだろう。
で、高校生の娘から「パパ~ 見たい映画があるんだけど~ お金出して~♡」と来たもんだ。
「何が見たいの?」
「ロイヤルコーギーの大冒険。すっごいかわいいの~」
※実際はもっとぶっきら棒な感じなんだけど・・・脚色してます(笑)
こんな映画みたいだ ↓
「お父さんと2人で行くんだったら、連れて行ってもいいゾ」
「しゃーない。その条件飲んだるわ (-_-;)」
というわけで、久しぶりに2人でお出かけです。
昔からお兄ちゃん(ムスコ)よりはムスメの方が気が合うというか趣味が似ているので(博物館で一つひとつ解説読むタイプ)、小学校や中学校の時も比較的二人でよく出かけてた(ただし自分にコーギーの映画見る趣味はない)。
だから世の中の父親が年頃のムスメから食らう冷たい視線みたいなのはあまりない(ときどきはある)。
* * *
さて。
近くのイオンにある映画館で上映しているみたいなので、それほど混んでいることはないと思うが、ネットの会員にもなっているので、事前に正面の真ん中という一番よいポジションの席を予約して、決済も済ましておいた。
で、夕方から始まる上映時間の10分前に劇場に入ると・・・
ガラーーーーン
「誰もいないね」
「ホント誰もいないね」
なんと観客は2人だけ。これまで、まばらな観客しかいない映画を見に行ったことはあった。が、他に誰もいないなんてなかった。
結局上映が始まっても他に客は入らず、大きなスクリーンを貸し切り状態。
これは二人で盛り上がった!
大声でしゃべってみたり、映画のシーンに突っ込んでみたり。誰にも迷惑がかからないので好き放題だ。
映画自体はまあ・・・女子高校生が「かわいい」連発する内容でした。
* * *
映画も終わってお腹もすいてきた。カミさんから「晩ご飯作るの面倒くさいから、二人で済ませてきて」と仰せつかってきた。
ムスメに「イオンのなかにオムライスの店が新しくできたから食べてみた~い」と言われ「晩飯にオムライスはないだろう・・・」とこころの中でつぶやいていたが仕方ない。お父さんが折れるしかない。
ところが、行きしなにときどきランチに行く洋食屋さんの前を通りがかり「ここのお店のハンバーグとかカニクリームコロッケとかおいしいんだよ」と振っておいたのをムスメが思い出し「さっきの洋食屋さんでもいいよ」って言ってくれたもんだから
「じゃ、そっち行こう!」
って、気が変わらないうちに出ようとしたら「あそこのお店にかわいいスカートあるんだけど。見るだけ。見てっていい?」
出た。
見るだけ詐欺!
そんなん。見るだけで済むわけないやん (;´Д`)
自分もカミさんに「大型二輪、免許取るだけだから」って、教習所通って免許取って「取るだけ詐欺」。もちろん乗らんわけないやん。1200CCのバイク買った(自爆)
まんまとムスメの作戦にはまりスカートお買い上げして、まあムスメに甘い父親してまんざらでもなく、洋食屋さんに向かいます。
「あれ?」
駐車場に1台もクルマ止まってない。でも、お店の灯りは点いている。7時半で閉まるってことはないだろう。扉をあけると
お客さん誰もいない!
「いらっしゃいませ」
「あの~ まだ、大丈夫ですよね?」
「はい。お好きな席にどうぞ」
ここのお店のランチはいつもそこそこ混んでいる。結構おいしいし人気もあるレストランだ。
またもや貸し切り!
たまたまなんだろう。
ムスメはデミグラスソースのハンバーグにデザートセット、自分はミックスフライを頼んでしばし会話する。
※写りイマイチだけど種類も多くてサックサクのフライがうまい! ムスメもハンバーグめちゃおいしい!とご機嫌だった。
「高校出たら専門学校行きたい」
「例のメイクの学校か?」(ムスメはメイクやコスメが大好きだ)
「大学行かないのか?」
他にお客もいないし、ムスメが高校生になってからは部活が忙しくて二人で出かけるの久しぶりだったので(家ではあまり話さない)将来のことや部活の話など、ゆっくり聞くことができた。
いやいや偶然だけど、こんな貸し切りデートなんてフツー出来るもんじゃないよ!
ちょっと神様信じた。。。
いつかは、家を出て行ってしまうだろうから(岐阜の田舎は嫌で都会に行きたいらしい)、せめて家を離れるまでは、ときどきはお父さんに付き合って頂戴ね。