日帰り温泉のサウナで年配の方(もちろん男性だ)に話しかけられた。
見たところ70前後ぐらい。
「休みの日に妻と二人でずっと家にいるとケンカになってまうで(註:しまうから)、温泉巡りしてるんや」
「いいですね。外に出た方がお互い気分転換になりますからね。平日はどうされているのですか? ずっとお家にいるのですか?」
「まだ仕事しとるよ」(註:まだ仕事しているよ)
「ええー(゜Д゜) おいくつですか?」
「もうすぐ76や」
「まだ、現役ですか?」
「電気関係の仕事しとるわ。(註:仕事をしています)まあ~引退したいんやが(註:もう引退したいのですが)、まだ辞めさせてもらええへん、(註:まだ(会社)が辞めさせてくれません)」
名古屋の方でしたので、名古屋弁で会話してみました(笑)
裸の付き合いなので、お互い「まっぱ」ですが、見た目はまだまだ元気。5分ほど話をしましたが、話の内容からたぶん経営者なのかな?
「70歳定年法」とは高齢者雇用安定法の改正
先日、衝撃をもって伝えられたニュース。
70歳まで定年が延びるの?
企業に70歳までの就業機会確保への努力義務を課す「高年齢者雇用安定法」の改正案が通常国会に提出される。60代の働き手を増やし、少子高齢化で増え続ける社会保障費の支え手を広げる狙いがある。定年延長だけでなく、再就職の実現や起業支援などのメニューも加わるのが特徴だ。
この記事に対して、4000件を超えるコメントがついた。
70前後になると、認知症出てくる人、高齢者に多いような疾患出る人も増えてくるよね。職場で倒れたり、辞めどきを見極められず、周囲に迷惑かける人も増えるんでない?
年金70歳制への布石だなこれは。申し訳ないけど、70歳まで同じ仕事続けるのは無理。しかも、総収入(就職から仕事離れるまで)が昔の60歳定年制のときより低く、課税は高くなるわけだから。
政治家は1ヶ月間、毎日電車通勤、9-18時残業ありで、びっちり働いてみればいい。60歳ですら身体が厳しいって気づくよ。
高齢者雇用安定法の改正案で、企業は原則70歳まで働けるよう努力義務を課されるようだ。
もう無理みたいなコメントばかり。
ぶっちゃけた話、「そのうち年金支給を70歳まで引き延ばすから、それまで企業に雇ってもらって税金と保険料を納めてね」という国からの熱いメッセージ。
いらんわwww
* * *
実は、うちの会社には70歳の現役営業マンがいる。その方は63歳で嘱託社員として採用した。昔の、自分が以前に勤めていた会社の大先輩で、ずーと営業畑を歩いてきた人。もちろん経験も豊富で人脈もある。ただし、やや頑固・・・(汗)
でも数字は上げてくる。
若い社員には、他社の経験を知ってもらういい機会になっている。そういうなかで、自社の優位性を考えて仕事してもらうのだ。
そのような嘱託社員や一部仕事を請け負ってもらっている人が他に二人いる。二人とも65歳前後で若い頃にお世話になった自分の先輩たち。本当に助かっている。
その内の一人が言っていた。
「60で定年になって、仕事もせずに3年もしたら本当にボケちゃうよ。毎日遊んで暮らせるわけじゃないし、やることがないのは辛い。カミさんとも険悪になる。(うちの会社で)仕事をさせてもらうようになって、カミさんから『顔が生き生きしている』て言われたよ」
サウナの年配の方といい、昔の会社の先輩たちといい、やはり働くことで社会と関係を持ち、役割があるってことは大事だ。健康的にも、精神的にも充実するし、多少のお金も入って余裕もできる。正社員のように責任がないから気も楽みたい。
雇う方も、育てるコストはかからないし、何より年金支給に影響のない範囲で働いてもらってるので、人件費や保険などもろもろ負担は少ない。働き方も週3日とか、閑散期は休んでもらうとか柔軟に対応してもらっている。
高齢者の雇用や働き方に否定的な意見が多いけど、体が動くうちは働いてもらった方が会社も本人にもメリットが多い。
Yahooニュースの「無理ー❗️」みたいなコメントは、満員電車に乗って正社員のように会社で働くイメージで、それが70歳まで続くと思っているところから出た心の叫びなんだろうが、会社はそこまで求めていないから大丈夫。むしろリストラしているぐらいだからね。
さあ、自分はどうする?
ホントは、60歳で会社を引退して遊んで暮らしたい。あと7年。体が動くうちは何年でも遊んで暮らせる自信がある。基本趣味人だ(笑)
バイク乗って、キャンプして、山登って、スポーツカーでドライブして、温泉に入って、ブログ書いて、投資の勉強して、儲けたら柳ヶ瀬の国際交流協会に寄付に行って・・・
でも、自分の経験が生かせるなら、多少働くのもいいかな。ゆるく社会と関わりながら求められる仕事をするのが一番快適な老後なのかもしれない。
ただ、国に決められ、何歳までとか会社に縛り付けられながら働くのはゴメンだ。
自分の老後の生き方ぐらい、自分で決めるから。
ほっといて。