特に予定のない日曜日
午前中は近所の山を2時間ほど走って、
シャワーを浴びて、
パスタを茹でて朝・昼兼用の食事をする。
カミさんパートでいないし、
ムスメは部活が休みで、友だちと遊びに行った。
一人家にいる休日なんて久しぶりだ。
そういや、包丁の切れ味が悪くなっていたな。
今日は晩飯当番だし、包丁の刃でも研ぐか。
学生の頃、寿司屋で3年バイトしていて、自分で使う包丁は自分で研いでいた。
やり方はほぼ自己流だけど、かなり切れ味が蘇る。
砥石を水に5分ほど浸して、よく水分を含ませる。
普段使う包丁は、安物の小ぶりのもの。小さいほうが小回りが利いて使いやすい。
砥石の下には、要らなくなったタオルを敷く。砥石を固定るすのと、砥石の擦れた粉が台所を汚さないようにするためだ。
親指を刃と砥石の間に入れて、人差し指と中指で刃を一定の角度に固定して、始めはゆっくり、次第にリズムよく押したり引いたりを繰り返す。
砥石と刃が擦れる音が耳に心地良い。
この時は、ほぼ、何も考えていない。無心というやつだ。
1本研ぐのに5分ぐらいだろうか。とにかく集中する。
特に先端をよく研ぐと、切れ味が良くなる。
良く研いだ包丁で調理をすると、料理も美味しくなる。
肉や魚を切った時、断面の細胞が綺麗に揃うかららしい。野菜、特にトマトなんか軽く包丁を落としただけで、綺麗にスパッと切れる。
調理が楽しくなる。
刃を研ぐ。
砥石と刃の擦れる音。
集中力が高まり、無心になる。
そしてだんだんと心が安定してくる。
家の包丁を全部研ぎ終わると、
いい感じで充実感がある。本当にたわいも無いことだけど、家でゆっくりする休日もいいものだ。
そう毎週、バイクに乗ったり、遠くの山に出かけてばかりもいられないし、最近歳なのか、休日に出かけることが億劫になる時がある。
そんな時は今日のように、近所を軽く走って、シャワー浴びて、刃を研ぐ。
そのあと一杯コーヒーを淹れて、ゆっくり味わう。
今日の晩飯、何しよう?
そんなことを考えながら、たぶんこのあと昼寝するな(笑)