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早朝ツーリングの吉野家でふと考えたこと

 

基本的に月~金勤務で土日休みの週休2日だ。

 

若い頃の休日は土日2日間をフルに活用して、何かしら予定を立てたり、遊びに出かけていたが、50も半ばを過ぎると、週5の勤務でなんだか疲れ果ててしまって、土曜日は完全休養日で家にいることが多くなった。

 

とは言え、歳を取ると早起きになると言うが本当だ。朝は5時半には目が覚めてしまう。二度寝しようにも一度目が覚めるともう寝れない。

 

完全休養日と言いながらも、何もしないで午前中から酒を飲んでうだうだするのも人として終わってるな、と、かろうじて踏みとどまって平日にできない家の細々としたことやっている。

 

布団干してシーツ洗ったり、台所まわりの油汚れを落としたり。最近、電動草刈り機を買ったので、午前中の涼しい時間(と言っても、近年はすぐに気温は30°を超えてしまうが・・・)にざーっと雑草を刈ったりしている。

 

そんなに広い庭でもないので、エンジン付きの本格的なやつでなくてもいい。であれば値段もそれほど高くはない。最近腰痛もあってしゃがむのが辛い。もっと早く気づくべきだった。

 

 

それにしても、ここ数年の夏は暑すぎる。岐阜は内陸部で気温も上がりやすくて、今年も連日35°超えで、40°近い日も続いている。午後から山に行こうとか、バイクに乗ろうとかという気持ちはまったく湧かない。いや、むしろ危険行為だ。

 

山に入れば、虫は多いし、スズメバチもぶんぶん飛んでいる。もちろん暑さで脱水症状になり足が動かなくなることある。

 

じゃあバイクは? と言ってもボンネビルはとにかく排熱がスゴい。35°を超える気温で信号待ちなんかしたら、足下からラジエターファンの熱風が吹き上げてきて、上から太陽の日差しにアスファルトの輻射熱も相まってスチームオーブンの中で焼かれている感じになる。これ、決してオーバーな表現じゃないから💦

 

すると、午後からは大抵クーラーの効いた部屋で動画見てるか、本を読むか、一杯飲んで昼寝しているか、ってなる。

 

日曜日は少し元気になって、どっかバイクに乗りにでも行きたい気持ちになるが、前述のように灼熱の中でバイクに乗るのは勘弁だ。

 

ナイトツーリングという手もあるが、夜走るのは苦手だ。周りがよく見えないし景色も楽しめない。それに大体飲んじゃってるし💦

 

どうせ朝早く目が覚めるだから、早朝に乗ればいい。

 

*  *  *

 

ある日曜日。「いつもより30分早く起きて、6時前には出発すれば、涼しいうちに帰ってこれるな」と意を決して走り出す。久しぶりにバド(愛車の愛称)に跨がる。御岳ツーリング以来だから1か月ぶりぐらいかな。

 

https://www.instagram.com/p/C9H1vrJJaT9/

 

もう気温が30°を下回っていれば涼しく感じるくらい体感がバグってる。「やっぱり気持ちいいなぁ。バドの調子もいいじゃない」。

 

川沿いの道を走りながら快調に飛ばす。早朝はクルマも少なくていい。地元の軽トラがときどき現れるが、すぐに道を譲ってくれる。

 

関市や下呂市、郡上市をひと周りする150Kmぐらいのルート。まあまあの快走路で走り慣れた道。

 

朝食を取ってなかったので、帰りがけに猛烈に腹が減ってきた。小綺麗なカフェでモーニングという手もあるが、基本朝はごはん派だ。吉野家が見えてきたので、「朝定」を食おうと駐車場に滑り込む。

 

塩サバ牛小鉢定食にたまごを追加。朝食メニューの中では高いが700円以下でこれだけ豊富におかずがあればお安いものだ。お昼もいらないぐらいおなかいっぱいになるので、コスパもいい。

 

塩さば牛小鉢定食

www.yoshinoya.com

 

店内は、男性の一人客が多い。近所の人なのか着古したジャージに髪の毛はボサボサ。みんな不機嫌そうな顔をしている。日曜日の朝なのに。なんか殺伐した雰囲気。

 

たまたまレジが混んでいるときにオーダーしようと声を上げる客。店員は調理と配膳の2人だから「少々お待ちください」ってなる。こういう時に限って、小銭を1枚ずつ取り出す高齢の客でモタモタしている。オーダー待ちの客が切れ気味に「早くこっち!」と声を荒げる。

 

もうダメ。こういう雰囲気。

 

身なりだけじゃなく、性格も荒んでそう。どう見てもこれから仕事に行く感じではない。だったら少しぐらい待てねえのかって。どうせろくな生活送ってねえだろう。あゝはなりたくねえ。

 

*  *  *

 

10時頃に帰宅する。もうその頃には気温は軽く30°を超えている。もう辛い時間になる。今日も35°以上になりそうだ。

 

冷蔵庫を開けて麦茶をコップに注ぐと一気に飲み干す。

 

なんか心がモヤモヤする。あの吉野家の一件だ。確かに気分が悪くなる光景だ。ただ、声を荒げた客に嫌悪感を覚えながら、自分はあの人と自分自身を比べて見下している。それもどうなのかって?

 

人は、他人と比べて、自分の方がお金があるとか、いい暮らしをしているとか、いいクルマに乗っているとか、そんなことで優越感をもつ。逆にお金がないとか、不幸だとか、不運だとかって感情になる。そしてみんなと同じ、平均点なら安心もする。

 

自分はあの吉野家で声を荒げたおやじのことは何も知らない。別に実害を加えられたわけでもない。なのにあゝはなりたくねえって思ってしまった。

 

最近読んだ宮本輝の小説で、幸福とは身近にあるしあわせに気づけるかどうかが大事だ、みたいなセリフがあった。どう生きるか、その中で何を感じとって生きていくのは人それぞれ。決して他人との比較で自分の立ち位置を確かめて幸不幸を決めることに意味はない。

 

「今日、早朝の澄んだ空気のなかで愛車のバドと森の中を駆け抜けた」という風景の中で感じた幸福感とか爽快感が、自分にとって幸せな時間であり、これは自分だけの感情だ。

 

ツーリングの途中で吉野家のちょっとしょっぱい鯖とたまごかけご飯がうまかった。腹一杯になった。それだけで十分じゃないの。

 

ちょっとした出来事にいちいち心が反応してしまう。まだまだ器が小せえなぁ、っていう感情がモヤモヤの正体みたいだ、と気持ちを整理して、これは忘れてはいけないとブログにしたためた次第である。

 

もう50も半ばを過ぎたっていうのに。歳を重ねた割にはまだまだ未熟者だな。

 

 

 

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