
人生の3大支出。
「住宅費」(住宅購入資金)
「教育費」(子どもの教育資金)
「老後費用」(老後の生活資金)
と、言われている。
これ以外にも、生活関係支出を除くと保険だったり、クルマ、趣味、レジャーの支出もあるが、今回それらは脇に置いておく。
ちなにみ、3大支出を回避できるやり方もある。結婚せず子どもも持たなければ教育費はいらないし、実家に住み続け相続してしまえば、住宅購入資金もいらない。さらに、ある程度まともな給料もらえる会社員や公務員で定年まで勤めれば、資産形成もできるだろうし年金だって充実しているだろうから、老後も安泰だ。
ただ、そういう生き方ができるかどうか、したいかどうかは別物だ。生まれ育った環境もあるし、時代の波もある。一生独身と決めていてもパートナーと出合ってしまえば結婚しちゃったりするだろうし、縁が無く図らずもそうなる場合もあるし・・・
昭和生まれのオッサンは、大学卒業してサラリーマンになり、20代半ばで結婚して、子どもが2人生まれて、32歳の時に家を買った。いわゆる既定路線だ。昭和・平成初期時代のモデルケースとも言ってよい。
自分自身、そういうもんだと思っていた。だから必然的に3大支出を背中に背負った。子どもが小さくて新築の家に住んで浮かれてた30代前半の自分に、これが後からジワジワと重くのしかかってくるなんて、思いを馳せることもできなかった。住宅ローンは家賃を払うのと変わらないし、小学生ぐらいまでの子どもは、そこまでお金は掛からない。
* * *
それから20数年。ひたすら住宅ローンを払い続け、子ども2人を学校や塾へ行かせたり、上は大学へ、下は専門学校に進学させた。そして娘が2年前に専門学校を卒業して就職し、ひとまず子育ては一区切りついた。3大支出の内、教育費はクリアだ。
パチプロだったお兄ちゃんも、今は真面目に会社員をしている。彼女もいて、先日2人で遊びに来た。とてもかわいらしくて感じのよいお嬢様だ。もう結婚するのかな? 彼も今年で30だし、お相手も26歳なのでちょうどいいんじゃないの? 子どもが結婚するなんて、自分も年を取ったよなぁ。
そして、
いよいよ住宅費(住宅ローン)も完済カウントダウンだ。
長かった。本当に長かった。
昔の契約書を引っ張り出して見ると、1999(平成11)年に、公庫から27,200,000円、銀行から600万円、計33,200,000を30年ローンで借りていた。実際の購入資金は確か家と土地で3500万円、諸費用300万円ぐらいで頭金500万円を用意した。ちなみに親からの援助とかそういうのは全くなかった。
今だと、都心の中古マンションが1億円もすると聞くが、そう思えば地方とは言え、3500万円で土地付き一戸建てが買えるのだから、今思うと買っておいてよかったと思う。
途中で安い金利のローンに借り換えたり、繰上返済して、今年5月に10年固定金利で借りたローンが満期になる。残金は120万円。これを一括返済して完済する予定を立てていた。
10年満期の最終返済に残金一括返済すれば、繰上返済の手数料が掛からないと昔説明を受けた記憶があるからだ。
ちょうど、ローンを組んでいた地元の地銀から10年固定金利の満期だが、その後、残金を変動金利か固定金利にするかを問い合わせる案内が来たので相談の電話をした。
すると、現在は10年満期の最終でも一括返済は手数料が5万円かかる。ネットで手数料無料で繰上返済の手続きができるので、例えば最後の1回分を残して繰上返済をすれば、手数料はかからない、とのことだった。
なんだよ。話が違うじゃん。しかし、前は銀行まで出向かないと繰り上げ返済できなかったから、ネットで簡単にできるんだったら早く教えてくれよって感じだ。
すぐに銀行のHPにアクセスして、携帯電話番号を登録すると、認証番号がSMSで送られてきて、数字を打ち込み、返済額を入力してOKボタンをクリックすれば、繰上返済完了だ。なんだ簡単じゃないか。
残金の120万円は、事前に利益の出ていた株式とゴールドの投資信託を利確しておいたので、預貯金は無傷のまま支払い終えた。
あとは、今月の引き落とし約12万円を払えば完済だ。30年ローンだったが、繰上返済と低金利ローンへの借り換えなどで、27年で払い終えたことになる。途中、子どもの大学進学などで、本当に厳しい時もあった。よく凌いだよ。もう、これで毎月口座から12万円引かれることはない。さらに昨年27年勤めた会社を辞めて、退職翌年に重く掛かってくる住民税の支払い約50万円も終わった(これ本当に何の罰ゲームって感じ)。いま、自分で会社経営している身には、個人の財布とはいえ支払いの負担が減るのは本当に助かるし、気持ちも楽になる。
よし。これで住宅費もクリアだ。
* * *
あとは老後資金。ただ、老後資金自体はそれほど心配はしていない。自分の会社もあるので年金受給までは何とかなるだろうし、それに10年前から老後資金に備えてNISAやiDeCoなどで資産運用している。ここ数年の株高で資産も膨らんだ。老後は慎ましく、よほど贅沢な暮らしをしなければ、何とかなる計算だ。
40代後半に50歳を目前にして、今後10年間に教育費、住宅費、老後資金を細かくシミュレーションして、毎月の支払額と投資額などを計算して準備してきた。あのとき、本当に10年後を見据えて将来設計しておいてよかった。
ちなみに今ではクルマやバイクのローンもないし、民間の生命保険はずいぶん前に解約した。これも50代後半でローンが残らないように計算した結果だ。現在、毎月の支払いはいくつかのサブスクや携帯電話ぐらいだ。これも今は会社の経費で落としている。あとNHKもあったか(笑)。
いま、58歳にしてミッションコンプリートだ。
肩の荷が下りるとは、こういうことをいうのか。
ただ、10年前との違いと言えば、当時はデフレで低金利時代だった。ところがここ1~2年で急激にインフレが進んだ。インフレに伴って資産額は伸びたが(10年前の日経平均は1万7000円だったのが、いまじゃ6万円近い)、生活費も上がる一方だ。
そのあたりは、なるようにしかならないので、あれこれ心配しても仕方がない。
50代後半って、大きくいろいろと自分を取り巻く環境が変化していく年代だ。うまく立ち回れるかどうかは戦略が重要だ。何も考えず還暦を迎えたらエラいことになっていたと思う。それに気づけるかどうかは、やっぱり金融リテラシーを高めるしかないと思ったのが今回の話だった。
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