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ブルさん、会社辞めたってよ。

 

 

 

2025年3月31日

 

27年勤めた会社の最終出勤日。

 

ハッキリ言えば、会社自体に嫌気がさしていたので、こみ上げる感情みたいなものはない・・・と思っていた。

 

ただ、57歳の自分にとって、人生の半分近くを過ごした会社だ。嬉しかったこと、楽しかったこともあれば、怒り、悲しみ、後悔など、さまざまな経験を積み重ねてきた。

 

前日までに、資料や持ち物は整理して、処分するものは処分していたので、最終出勤日は挨拶のみ。朝、会社に出勤して自分のデスクに座り、職場を見回す。もう何十年も見慣れた風景なのに、これが最後かと思うと、なんだか違う風景に見えるから不思議だ。

 

*  *  *

 

自分は編集者だった。

 

*下の記事に告白しております。

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大学を卒業して、東京にある中堅の出版社に就職した。主に研究者が書いた専門書や資格試験、大学で使うテキストなどを編集していた。

 

その会社で8年勤めて、当時、創業して2年目の今の会社に転職した。前職の上司が創業した会社で声がかかったのだ。ここでは、同じように専門書やテキストの編集の他、行政計画のコンサル(調査・分析・委員会運営、報告書の素案作成など)も業務範囲に入っていて、調査・統計法なども新たに学び直さなければならなかったが、計画を作る過程でかなりロジカルな思考が身についた。その後の編集業務にも活かされ、著者からも少しずつ信頼を得るようになった。

 

もちろん、そんなにトントン拍子に進むわけではなかった。最初は会社の知名度もないし、営業しても話しすら聞いてくれないお客様(主に大学の先生)の方が多かった。失敗もあるし、著者に怒られたことは数知れず・・・それでも、まだ30代と若く、エネルギーもあったし、自分は絶対できるという謎の自信もあったし(笑)

 

やがて、さまざまな経験はスポンジが水を吸い込むように自分の身になっていき、人脈も広がっていった。

 

 

 

*  *  *

 

会社を辞めようと思った理由はいくつかある。まず、出版業界自体が斜陽化して、版元、取次、書店の流通網もその機能を維持していくのが難しくなってきたし、古い体質から脱却して時代に合わせた改革も遅々として進まなかった。

 

インターネットで情報を得ることも当たり前となり、大学もデジタル化が進み紙のテキストを使わない授業スタイルも増えていった。さらに少子化で学生自体も減少し、定員割れする大学も増えて部数が伸びない。

 

社内を見渡せば、ここ数年の間にできる社員が数人退職して、残った社員は自ら企画を立てることなく、こちらが立てた企画を振って作業的にこなすだけ。その割には仕事が詰まっているのに平気で有給は取るし、残業もしない。そして納期が遅れても平気な顔をしている。

 

うちはそんな大企業じゃない。働き方改革とか言われるけど、そもそも本を創り出し、それを読者に届けて、お金を払ってもらわなければ、会社は潰れてしまう。そんな当たり前のことを忘れてしまっているのか、端からそんな考えを持っていないのか。第一企画を立てるのが編集者の仕事なのに。

 

自分が転職時に「最初の1年は会社で給料を出すけど、2年目からは自分で稼げ」と社長に言われた。最初は「聞いてないよ~」って思ったけど、自分の頑張りが業績や給与に反映されると思うとスイッチが入り、とにかくどんな小さな委託仕事(パンフレットや各種レポート作成など)も受注して数を稼いで、同時並行で本の企画を立てまくって、手当たり次第に書いてもらえる著者を探して、本を出し続けた。

 

そうして創業から30年。途中で経営者が変わり、自分が会社の舵取りをするようになった(社長は親会社からの派遣で出版も編集もシロート)。それなりに会社は大きくなったけど、時代の波に飲み込まれコロナ禍を境に業績は下降気味。

 

おまけに社員は作業はするが仕事はしない。

 

これも今の時代の気風なのか。昭和・平成時代に働き盛りだった自分にはもどかしいが、下手なことも言えない時代になり、社員が何か不手際を起こせば責任者である自分が頭を下げに行かなければいけない。

 

自分自身も虚無感に襲われ、だんだん気力もやる気も削がれていって、ここ数年一種のバーンアウト状態に陥っていった。

 

”もう社員の顔も見たくないし声も聞きたくない。おまえら勝手にしろ”

 

そんな気持ちで毎日会社に出社していたところで、親会社のオーナーから業績不振を詰められる。業績不振はある種構造的で今までの延長線上で頑張ったところで回復は望めないし、もう新しい事業をこの会社で始める気力もない。

 

「もう、自分のやるべきことは終わった。引退しよう」

 

去年の秋にそう決心した。

 

この春までに納める仕事を終わらせたら区切りをつけよう。

 

そして今日を迎えた次第だ。

 

*  *  *

 

自分は役員だったので、定年というものはない。オーナーに辞めろと言われるか、自分で辞めると決めるかだ。

 

世の中の60歳とか、65歳定年とかを考えれば、57歳は少し早いが、ミッションのない仕事は虚しい。

 

だから次のステージで新しい、自分らしい仕事をして行こう。いや、別に仕事にこだわらなくてもいい。好きなことをやっていこう。しばらく食えるだけの資産は準備してきた。

 

さあ、明日からセカンドステージのはじまりだ。

 

 

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