バイクという趣味は、よくよく考えると恋愛によく似ている。どういう意味かと言えば心の移ろい方だ。
たぶん「好きになった」という出発点が同じで、脳の中でも同じような感情や思考回路が働くのだろう。
まず、出会いだ。
(バイク)
「うわwww このバイクカッコイイー😍」
(恋愛)
「うわwwwすごく好みの女性! こんな素敵な女の子と付き合いたい」
※以後本編は男性目線です。本ブログ・・・残念ながら女性読者はほぼいないし、乙女の心がわかるほど経験豊富でもありませんから💦
そして、来る日も来る日もそのバイクor女の子のことが頭から離れない。寝ても覚めてもそのことばかり。気持ちは日に日に高まっていく。でも、「ちょっと高いな」「乗りこなせなかったらどうしよう」or「彼氏がいたらどうしよう」「やっぱり自分には不釣り合い。無理かなぁ」と気持ちは逡巡する。
そして、しばらく悶々とする日々を送り「よしこのバイクを買おう」or「彼女に告白しよう」と心を決める。
ここからの条件は多少異なる。相手が「バイク」だと、お金さえあれば手に入れることができるが、相手が人間だとそうはいかない。
※恋愛は変数がたくさんあって複雑です。。。その条件を前提に先を読んでね。
ただ、「かんばってお金を貯めよう」「仕事で結果を出してボーナスでバイク買おう」と「彼女に好かれるように、身なりをきれいにしてファッションセンスも磨こう」「ダイエットもがんばろう」などと、そこに向けて努力する過程は似ている。
そして、努力の甲斐があって、目的のバイクを買うことができた or 告白して付き合うことができたとしよう。
(バイク)「毎日でも乗りたい!」「好みのパーツを付けてカスタムしたい」
(恋愛)「毎日でも会いたい!」「彼女に素敵なプレゼントしたり、おしゃれなレストランで食事をして彼女の喜ぶ顔が見たい」
ようは惚れ込んで、感情が一気に高まる。
そしてしばらくは素敵な幸せな日々を送る。毎日が楽しい。心が満たされていく。逆にどちらもお金は減っていくけど・・・
* * *
しかし、そんな日々は長くは続かない。
1年経ち、2年経ち、そして3年が過ぎたころ。
(バイク)
「今日は寒いから(暑いから)家でゆっくり映画でも観よう」
「バイク出すのめんどくさいな(特に大型は・・・)」
(恋愛)
「今日デートか。昨日は残業だったし疲れているし。なんか気持ちが乗らないな。そもそもねずみのぬいぐるみなんか見て何が楽しいんだろう? 」
「外に出るのめんどくさいな。家で映画でも観ながらビール飲みたい」
(バイク)
「もう車検か。金かかるな。タイヤもずいぶん減ってきたし交換しなきゃ。うわ、バイクのタイヤってこんなに高いの!」
(恋愛)
「付き合って3年目の記念日。早いなぁ。記念日に旅行に行く予定だけど今月ピンチだしなぁ」「だいたい、ねずみのぬいぐるみなんか見て何が楽しいんだろう? 中に入っているのハゲのおっさんだったら笑えるし。え!入場料こんなに高いの!」
※別にねずみのぬいぐるみに深い意味も思い出もありませんwww
そうなのだ。バイクというか、趣味のものは、欲しいと思ったとき感情が一番高まって興奮状態となり、冷静さを失う。だから高いお金を払って、またはローンを組んでまで手に入れようとする。
恋愛も付き合い始めたころが一番熱い。このまま彼女と一生一緒に過ごせたらいいなと思うが、3年も過ぎると、お互いの気持ちもどこか冷めてすれ違っていくことが多々である。
生理学・心理学的にも、恋愛は一種の興奮状態で心も体にも負荷をかけ続けるから、3年ぐらいでその気持ちが冷めるようにできているらしい。その間に結婚したり、子どもができたりして、子孫を残していくようにプログラムされている。ようは生物的な生存戦略という話を聞いたことがある。
こういうことらし。種にとっては最適解だとしても、冷静に考えれば個にとって出産や子育てはリスクの塊だ。家族を養い子どもに資産をつぎ込み、だからといってその行為が必ず報われるとは限らない。女性はそれこそ命がけで出産する。だから興奮状態をつくり、冷静な判断ができなくなるようになっているのだ。
大型バイクにしても、高級なクルマにしても、例えば高級腕時計なんかもそうだ。一種の興奮状態にならなければ、せっかく貯めたお金をつぎ込むことはない。そういう趣味の、特に高級な物品は日常生活に彩りは与えるが、それがなくても困らない。なんなら維持するのも大変だ。
そして、魅力的な新型車が出たり、また、より魅力的な異性に出合うと、そちらに気持ちが傾いていく。その繰り返しだ。
* * *
我がトライアンフ・ボンネビルT120(愛称バド)も、納車されてから3年が経ち1度目の車検を通して4年目も半年を過ぎた。
これまでも何度も書いてきたが、乗りやすくて故障もなく、非常によいバイクだ。もう若いころのようにアグレッシブな乗り方をするわけもないので、バーチカルツインのエンジンフィーリングも旧車のようなスタイルも自分に合っている。
それでも、以前よりは乗る回数も減ってきたし(バイクにいい季節の夏が猛暑過ぎて乗れる時期が短くなったという説もある)、正直、他のバイクに目移りすることもある。gooバイクやヤフオクを徘徊したりして、「やっぱりカワサキがいいな。4気筒のZ900RS欲しいな」なんて、半ば本気で乗り換えに気持ちが動いたこともある。
つまり倦怠期だ。
そういえば、気に入って乗っていたヤマハのSR400も4年目に乗り換えたっけ。
翻って、通勤や買い物、その他もろもろ日常で毎日のように乗る軽自動車のN-ONEに不満はないし、乗り換えようと思ったことはない。小さなボディで取り回しもよく、なんともかわいらしいデザインにむしろ気に入っている。軽とは言えターボ仕様でパワー的にも不満はないし、レギュラーガソリンで燃費も悪くはない。
日常生活で使うモノは、使い勝手がよくて手に馴染む道具のほうが長く付き合える。
逆に趣味性が高くなればなるほど、飽きるのも早いのだ。よく言うじゃないか。美人は3日で飽きるけどブ●は3日で慣れるって💦
バドも乗り出してしまえば、楽しいし気持ちがいい。それにやさしい娘で気難しいところもない。シフトのタイミングもブレーキングやコーナーリングも体が自然に動いて走らせることができる。もう体の一部と言っていい。相性は抜群なのだ。
だから倦怠期を乗り越え、他の娘に目移りせず、当たり前にコイツが隣にいる、生涯コイツと添い遂げようという気持ちまで達することができれば、たぶんこっちの体の限界が来るまで乗り続けることになるだろう。それは、もうすぐそこまで来ている気がする。いつまでもバドがご機嫌いいように定期的にメンテナンスして、長い休みは遠くまで一緒に旅をしよう。
恋愛もそうだね。倦怠期を乗り越えて、自然に隣にいるのが当たり前の関係になれば長く寄り添えるんじゃないかな。ただし、バイクと同じように定期的なメンテナンス(美味しレストランに行ったり、プレゼントしたり)と時々温泉旅行に行くことを怠らなければ・・・
まあそれが難しいんだけどねぇ。人間だもの・・・
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