このところ、毎日自分で3食、飯を作っている。
もうずいぶん前から朝食と会社に持っていくお弁当は自分で作っていたので、晩飯作りが増えたところでそれほど負担感はない。
が、
休日はときどきサボりたくもなる。
GWは、ほぼバイクに乗ることもなく過ごし、もちろん食事もほぼ自宅で済ましていたので、GW明けの土日は「やっぱりツーリングに出かけたいなぁ~。ごはん作るのも面倒くさいし、たまにはどこか旅館にでも泊まって、ゆっくり風呂に浸かっておいしい料理でも食べたい」と、ふと思った。
「行くなら御嶽・高山周回ルートかな」
金曜日のお昼休みに何気なく宿泊予約サイトで高山あたりを検索すると、やっぱりコロナの影響なんだろうな。空室がボチボチある。本来、この時期の飛騨高山なんて、休日前の前日に予約取ろうと思っても取れない場合が多いんだけど。
なかなかよさそうな旅館を見つけ、料金もそんなに高くないし、ひとりでも泊まれるプランもある。
「この宿を予約する」をポチッとして予約完了。ホントに便利な時代になった。
* * *
「御嶽・高山周回ルート」は、名古屋方面からは中央道で中津川ICまで行って、高速を降りたら国道19号を長野方面に走り、木曽福島で国道361号線に左折して高山方面に向かう。
地図で見るとこんな感じ。
詳しいことは過去記事で紹介しているので参照してね。
当日は暑くもなく、寒くもなく、薄曇りだが天気もまずまずでバイク日和。SRの苦手な高速もクルマが少なくてマイペースで走れてストレスはなかった。
道の駅「木曽福島」でトイレ休憩。ここはちょっとだけ御嶽山が望める。
道の駅を出てしばらく走ると、国道361号線の標識通りに左折する。この道は交通量も少なく、ときどきツーリングで走る道だ。徐々に標高を上げていくと「開田高原」に入り白樺のなかを駆け抜ける。5月の風が心地よくバイクで走るには最高の季節。
そして、しばらく行くと御嶽山を一望できるビュースポット。
関東方面の人たちが、富士山の周辺を走ってテンションが上がるように、こっちでは御嶽山を近くで見るとテンション上がる(と勝手に思っているけど、中部のライダーの皆さん、どうですか?)。
御嶽は大昔の噴火で火口が吹っ飛んだようだが(山頂付近が平らに切れて見えるでしょ?)、もし、吹っ飛んだ火口が残っていたら御嶽山が日本一高い山だったかもしれない。
2014年に噴火して、多くの人の命が失われてからもう7年にもなるのか。少し前までは火口から水蒸気が上がるのを家の近所の山からも確認できた。御嶽を眺めながら心の中で合掌する。
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午後2時過ぎには、高山市内に着いた。
今回泊まる宿は「飛騨高山 お宿・山久」。なかなか風情のある建物だ。
この宿に決めたのは、食事も魅力的なのだが、屋根付きの駐車場にバイクを停められること。バイク専用のプランも用意されている。
内装は明治・大正ロマンをモチーフにされ、落ち着きのあるなかでも、どことなくモダンだ。
多くの有名人が訪れているみたい。TVの取材も受けているようだ。
通された部屋は一人用の6畳でやや狭いが、窮屈な感じでもない。
窓越しに裏の法華寺の境内が眺められる。いいじゃない。
早速1本ガソリン入れて、とりあえず風呂。
温泉ではないが、麦飯石のミネラル温浴となっているようだ。早い時間だったので貸し切り風呂(写真は公式HPから拝借)。
ヒノキの露天風呂もある。バイク乗った後の風呂は「は~~~あ、極楽、極楽」ってなるよね(笑)
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お待ちかねの夕食。飛騨の食材を使った「かかさま料理」が自慢の宿だ。
一人客用に席が間仕切りされていていた。コロナ対策なんだろうけど、広間でグループのなかでポツンと一人で食べるより気兼ねがない。
前菜。遅い雪国の春らしい雰囲気。
せっかくなので、飛騨の生酒をいただく。ちょっと辛口。
そして、陶板焼きの中身は、もちろん「飛騨牛!」
飛騨牛の陶板焼き ボリューム満点でした。#飛騨高山#お宿山久 pic.twitter.com/X6sSZAj2pg
— ブルパワー.com (@bullpower_world) 2021年5月16日
ぐつぐつしてきたら食べ頃。
結構、厚切りでボリュームある! うまい!
よく、こうゆう陶板焼きのなかのお肉って、見た目は大きいけどペラペラってことあるでしょ? ここは期待裏切らない。
そして揚げたての天ぷらも。コシアブラやゼンマイなどの山菜の天ぷら大好き(*^o^*)
いちごづくしのデザート。女子じゃなくてもこりゃテンション上がるよ。おっさんだっていちごのデザートは好きなんです(笑)
HPには「母から娘へ、そのまた娘へと伝えられてきたおふくろの味。板前さんが作ってくださるプロの味は出せませんが、飛騨で生まれ育った〝かかさま〟達が精一杯の心をこめておもてなしをさせていただきます」とあるが、何をご謙遜。その辺の料亭より美味しゅうございました。
廊下に飾られているガラスや陶器を見ていくだけでも楽しい。人間国宝「金城次郎」の作品に目がとまる。味のある絵だな。芸術としての評価も高いんだろうけど、親しみの持てる庶民的な感じがする。
食事の後は、もう1本だけビールを飲んで、早々に就寝した。
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翌日。
朝食の会場に入ると・・・
「これ、朝飯? うちの普段の晩飯より豪華だよ(笑)」
朴葉味噌(飛騨の郷土料理)に、朝からネギトロまで(汗) なぜかクロワッサンも付いてくる。さすがにクロワッサンは食べきれなかったので包んで持ち帰る。途中でコーヒーでも買って食べよう。
朝食後に少し街を歩く。普段は観光客でごった返している「古い街並み」も静かなもんだ。
陣屋前の朝市で、漬け物と泥付きのネギを買った。ネギ大好きなんだ。みそ汁でも納豆でも卵焼きでも、何でもネギ入れるタイプ。
露天も何となくソーシャルディスタンス。
宮川の流れも穏やか。
バッグの中にネギが入らなかったので、外付け(爆)
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帰りは、せせらぎ街道で郡上八幡まで抜けて、そのまま156号線を下道で帰る。
せせらぎ街道の最高地点は1000mを超えているので気温も低い。帰りはあまり天気もよくなかったのでいつもより寒かった。途中、「カフェ・アグスタ」で温かいコーヒーで一服。
外観は改装中で足場が組まれていたが
なかはこんな感じで広く落ち着いた雰囲気。
店の名前にもなっている、古いMVアグスタが展示されていたり、その他にも古いCBやカワサキのオフロード車が展示され、バイク乗りにはたまらない。
ここで、前々回記事にした、CB400SSに乗る若い女子ライダーと話をして、
「SRにネギ積んでるのはじめて見ました」って爆笑された・・・
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普段、高山辺りだと日帰りツーリングが多いんだけど、たまにはこうして旅館に泊まるのもいいもんだね。
若いときは金がなくて貧乏ツーリングばかりで、子育て中は泊まりがけのツーリングに行ける余裕もなく、50台半ばで、やっとこうした自由で贅沢な時間を持てるようになった。案外、50台って第2の青春の季節なのかもしれない。
「ブルさん、自由すぎる!」って、また、誰かさんにツッコミ入れられそうだけど(汗)