今の家に越してきて二十数年が経った。
普段開けることのない引き出しや押し入れ、納戸などに不要なモノがあふれている。
どちらかというと、捨てるのが苦手で、「もしかしたら必要になるかも?」とそれらにしまい込んでしまうのだ。
少し前の休日。
特にやることもないので電化製品などの説明書や保証書がしまってある引き出しを整理しようと開けてみたらパンパンで「もうこれ以上入らんわ」ってぐらい書類がしまってある。片づけはじめたら、もう、とっくに処分したトースターやら洗濯機などの取扱説明書が出てくる出てくる(汗)
いい機会だから不要なモノを全部処分しようといろんな所を片づけをはじめたんだけど・・・
一度も使ったことのないもらい物の食器。
子どもたちが小さい頃に買ったおもちゃや運動器具。
うちわなんて20枚ぐらい出てきた。
もう全部いらんやろ。
洋服も定期的に整理しているつもりでも、着古した下着やワイシャツ、靴下などが溜まっていく。
明らかに不要なモノは躊躇せずにゴミ袋に放り込める。けど・・・
* * *
開かずの引き出しからは、大学を卒業するときや会社に入って転勤するとき、そして転職するときなどにもらった寄せ書きの色紙、誰とは言わないが昔もらった手紙や小物が溢れ出てくる。なんだか捨てようにも捨てられないってもんがあるよね。
もちろん、見返すと昔の思い出がよみがえってくる。懐かしさを覚えたりもする。でも、こうして掘り返すことがなければ、その存在自体も忘れている。
「思い出の品って、必要なのだろうか?」
ふと、疑問が湧き上がる。
50数年も生きてりゃ、そりゃ溜まるわ。全部取っておいても一生のうち、あと何回見返すんだろう? なきゃないで別に困るもんでもないし。本当に大事な思い出は胸に刻まれている。
大事なのは、過去じゃなく、今、この生きている瞬間じゃないのか?
そう思って、割切って、すべてを袋の中に封じ込めて口を縛った。
別にミニマリストを目指しているわけではないけど、空っぽになった引き出しやボックス類もすべて素材ゴミの日に処分したら、「うちってこんなに部屋が広かったんだ」って改めて思った。
本当に必要なモノなんて、そんなに多くはないんだよね。おかげで掃除が楽になった。あっちこっちにモノがあると、そういったモノの影や後ろに埃が溜まるからね。片づけして100円玉でも出てきてくれたら嬉しいけど、1円玉が3枚ぐらい(笑)
子どもたちが描いた絵や粘土細工、図工で作った工作も本人たちは大して思い入れもないみたいなんで、これも思い切って処分する。きっと親の方が形として取っておきたいんだろうな。
唯一捨てられなかったのは、子どもたちの写真だけだ。
思い入れやこだわりを捨てると、なんだか身も心も軽くなったような気がする。ってのは気のせいだろうか?
みなさんも、捨てようにも捨てられないモノってありますか?