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【SR400で行く】中山道「大湫宿」を散策した話

岐阜県には、旧五街道の一つ中山道が、東は木曽路から中津川市に入り、西は大垣市から関ヶ原を通って京都に至る。全部で69の宿場のうち17の宿場町が県内にある。

 

有名なのは中津川市の「馬籠宿」。島﨑藤村の生まれ故郷として有名で、小説「夜明け前」の舞台にもなったのでご存じの方も多いでしょう。

  

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馬篭宿の町並み

 

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馬篭宿の夕暮れと恵那山

馬篭宿の今は観光地になっていて、むかしの風情を偲ばせる建物が並び、休日にはたくさんの観光客が押し寄せる。

 

でも、やっぱり観光地は観光地。ほとんどは土産店や飲食店になっていて、正直、商業主義のアウトレットパークと変わらないように見えるのは、ちょっと自分がひねくれているからだろうか? 表面だけはむかしの面影を装いながら、どこか映画のセットを眺めているようだ。

 

 

 

*  *  *

 

3月に入って、ぽかぽか陽気の休日。

 

ひとりで家にいるのも退屈なので、昼飯を食べに行きがてらSRに火を入れる。久しぶりの低音の排気音と振動が体に染み渡っていく。

 

御嵩町から恵那市につながる県道65号線が旧中山道のルート。以前ツーリングマップルを眺めていて見つけた道だ。

 

 

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国道を走っている途中で、目に付いたラーメン屋で昼食をとって、ふらふらと田んぼの中を続く道にSRを走らせる。

 

程なく峠道になり、ひと山、ふた山と越えていくと「大湫宿」(おおくてじゅく)にたどり着く。

 

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「大湫宿」は、東に「十三峠」、西に「琵琶峠」が控えた、のどかな山間の宿場町。商業的に観光化されたところはほとんどなく、昔のままの面影を残している。往時の姿を伝えているのが「大湫宿脇本陣」で、規模は縮小されたが文政期の面影をそのまま残している。旅籠や店は営まれていないが、建物は今も『住まい』としては現役。「往年の旅人気分で歩いてもらいたい」と、街道沿いの民家には旅籠だったころの屋号が軒先に掲げられている。なんとも粋な演出だ。

大湫宿 - 中山道の旅 Nakasendo Walk

 

適当な道路脇にSRを止めて、人気のない街並みを歩き出す。

 

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案内にある本陣跡は立入禁止になっていて、どことなく廃墟感が漂う。

 

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これが観光地だったら綺麗に整備されて、カネとって見物させるんだろうな。

 

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神社のご神木は、去年の台風で根本から倒れてしまったらしい。

 

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そういや、このとき地元のニュースになっていたな。樹齢1300年の大杉が倒れて道を塞いだと・・・

 

1300年もの長きにわたりご苦労様でした。この時間軸で測れば、人間の一生なんて短いもんだ。多少の問題はどうでもよくなる。

 

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旅籠だった建物は、今でも普通に人が住んでいる。宿としては営業していないが、昔ながらの屋号が表札として掛かっている。

 

江戸のころ?から変わらない風景なんだろうな。今は令和っていうんだよ。

 

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天気のいい土曜日の昼間でも閑散としている。これと言って目玉になるような観光資源はないからなぁ。まあ、こういうのが好きな人にはたまらないけど。

 

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 むかしの方が旅人や商人たちで賑わっていたんだろう。おかげさまでゆっくり街並みを見物できる。

 

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小学校の跡地。

 

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少子化で地方の多くの学校が廃校になっている。校庭だけが広場のように残り、かつての校舎の写真と石碑に校歌が刻まれている。

 

校庭の端の石垣に腰掛けて、いろんなことを考えた。

 

考えて答えの出るようなことではないが、かつて子ども達の声が響いたであろう場所で、静かな時間を過ごすのも悪くない。落ち着いて気持ちを整理するにはいい場所だ。

 

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東に行けば大井か。大井は恵那市の中心部の街。

 

西は細久手。こちらも山間の小さな宿場町だ。

 

よし。大井まで行って、コーヒーでも飲もうかな。

 

 

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