最近、全くいいところのない日産。
「やっちゃえ日産」が
「やっちまったな日産」と揶揄されるぐらい。
正直、このままメーカーとして事業継続できるかどうかも疑問視されているぐらいだからね。
自分が若い頃は、日産もたくさんいいクルマ作ってたのに。
スカイラインにブルーバード、シルビアなんかは憧れたし、パルサーGTI-Rなんて、コンパクトカーなのに、とんでもないモンスターマシンも作っていた。
で、
やっと明るいニュースが飛び込んできた。
新型フェアレディZのプロトタイプが9月16日に公開された。
スゲーカッコいい! どことなく、往年の240Zを想起させるデザイン。
室内はスポーツカー然としたレイアウト。こういうコックピットのような包まれ感のあるデザインは好みだ。
メーターは液晶モニターになっているけど、十分レーシーな雰囲気。
室内は、ダッシュボードに3連メーター! Zはこれなんだよ。
これだけで、ご飯3杯いけちゃう(笑)
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往年のフェアレディZを現代に蘇らすとこうなるんだ。そう思わせるデザイン。
これについては賛否の声が多数上がっている。得てして昔のフェアレディZを知っている人からは「中途半端」とか「やっぱり240Zの方がかっこいい」とか言われいるけど、単なる懐古主義だ。保守的なジジイどもは、放っておけばいい。日産はよく頑張ったと思う。
最近、こんな感じで昔のクルマのデザインをオマージュして、現代に蘇らすモデルが増えているような気がする。フィアット500だったり、MINIだったり、上手に過去のデザインを洗練させて最新のメカとともに復活させて人気も得ている。
フルモデルチェンジするとき、前のモデルを無視して全く違うデザインとして登場することも多いが、そのほとんどは「残念」なデザインというか、無理に新しさをアピールして逆にヘンテコなアンバランスなデザインになることが多かったりする(特にトヨタ・・・)。
デザイナーが変われば、新しい個性を出そうとするんだろうけど、単なる自己満足な残念なデザインになって消えていくクルマも多い。
よく思うんだけど、昔、評価されて、世界中で受け入れられたデザインというのは、いつの時代も普遍的な価値を持つと思うんだよね。
それを、真似るのではなく、意匠をリスペクトして、ブラッシュアップして行くことで、そのブランドの価値を高め、アイデンティティとなって脈々と引き継がれていくんだと思う。
BMWが一目でBMWとわかるように、ポルシェがポルシェであり続けるように、フェアレディZは初代のフェアレディZのように美しいクーペのスタイルに、ボディラインのサイドに深く切り込まれるフロントライトがフェアレディZだよ!
そういう意味で、今回のフェアレディZは「Z」らしさが復活した。発売が楽しみだ。
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自分の乗っている86/BRZも、名前からAE86のカローラレビンだったりスプリンタートレノのライトウェイトスポーツの復活みたいにいわれているけど、デザインの源流はトヨタ2000GTである。
どう考えたって、レビンやトレノには見えない(笑) トヨタ2000GTのデザインは、今見ても美しいと思う。
実際86/BRZを開発するときは、トヨタ2000GTを横に置きながらデザインされたという。
トヨタから4月6日より発売が開始される『86』は、あの“名車”を横に置きながらデザインされた。
その名車とはトヨタ『2000GT』だ。1967年から1970年にかけて生産された非常に流麗なデザインのスポーツカーで、計337台が作られたと言われている。トヨタのイメージリーダー的存在のこのスポーツカーは、価格も非常に高く、当時クラウン2台分に相当する238万円であった。
デザイン本部トヨタデザイン部グループ長の古川高保氏は、「クレイルームに1か月ほど置いて、モデラーやデザイナー全員がその雰囲気を感ながらデザインしました」と振り返る。
「その目的は面質の雰囲気を味わいたかったのです。もちろん、グラフィックスなどのニュアンスもありますが、一番は、面質や、そして、オーラを感じたかったのです」と話す。「(2000GTは)写真と実物は全く違う。そこが大事。本物を感じる必要があったのです。86はスポーティではなくスポーツカーを作ろうとしていましたので、そこにこだわりました」(古川さん)。
インテリアを担当したデザイン本部トヨタデザイン部グループ長の遠山正起氏も、「(2000GTの)パッションを86に受け継ぐということを踏まえて、2000GTの要素を取り入れています」という。その一例として、「助手席正面からセンタークラスターあたりまでのデザインは、2000GTのウッドパネルのシルエットをモチーフにしています」と語った。
出典:【トヨタ 86 発表】名車 2000GT を横に | レスポンス(Response.jp)
実際、斜め後ろから86/BRZを眺めると、リアタイヤ周りのボリューム感と後ろに行くほど絞られてくるライン、フロントフェンダーの上の 盛り上がりとかがどことなく2000GTの面影を感じる。
86/BRZは、これはこれで結構完成された、スポーツクーペとしてのデザインだと思う。
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最近は、バイク界でも往年の名車を現代の最新の技術で復活させるモデルも増えてきた。
その代表格が、カワサキZ900RS。Z900 Super4(Z1)を思わせる丸みを帯びたタンクに後方に伸びるテールカウル。そのデザインをうまくアレンジして倒立フォーク入れて、モノリンクサスに水冷でパワーのあるエンジンを載せてきた、現代のZ1だ。ツインショックを望む声も多かったが、走行性能を優先して現代の技術をあえて使ってきたあたりは、単なる懐古主義にならず走りの部分で妥協はない。
2018年 Z900RS ↑
1972年 Z900super4(Z1) ↓
ホンダもCB900Fを現代風にしたプロトモデルを発表してきた。
CB-F コンセプト ↓
1978年 CB900F フレディスペンサーがAMAスーパーバイクで乗っていたレーサーのイメージ ↓
これは、単に現行のCB1000Rにそれっぽいタンクとサイドカバー、シート、テールカウルを乗せてきただけだけど、さらに煮詰めていって市販されるのかな?
今までにない、新しいデザインのニューモデルを開発していくのも必要かもしれないが、過去の優れたデザイン、名車と言われるクルマやバイクを遺産として眠らせておくより、その意匠を継承し現代の技術で新しいクルマやバイクとして進化させていくことは決して悪いことではないと思っている。それが伝統となり、そのメーカー・ブランドのアイデンティティとなって価値を高めていくことにつながっていくのだと思う。
日産だって変われるはずだ。あんなに素晴らしいクルマを作ってきたんだから。新しいフェアレディZがその布石となることを期待している。
ルノーとの提携を解消して、経営陣は総入れ替えしたほうがよさそうだけど・・・