ヒマがあると、なんとなくネットニュースを徘徊してコメント欄を眺めてしまうクセがある。
というか習慣?
で、
定期的に配信されるネタとしての田舎暮らしの記事。
※貼っていたニュースはリンク切れだが、濃密な人間関係とか田舎の不便な暮らしが想像以上に過酷って話がほとんど。
たぶん60歳ぐらいで、子育てが終わって会社を定年になったりしたときが危ないんだよね。自由な時間とお金があって、いままで忙しく働いてきた分「のんびりしたい」「自然のなかで暮らしたい」なんて魔が差すヤツだ。
「慌ただしい都会を離れてスローライフを満喫したい」
「都会の殺伐とした人間関係に嫌気がさした」
「定年後は田舎でソバを打って暮らしたい」
そんな田舎暮らしを思い描いて実際に田舎に移住して暮らしてみると現実は・・・
「プライバシーのない濃密な人間関係が耐えられない」
「行事や役を次々と振られてくる」
「最初は物珍しそうに住民が寄ってきて、少し慣れてきたところでぶつかって村八分」
「草木が伸び、虫が湧いたり、動物が作物を荒らしたり、意外と面倒な田舎暮らし」
「買い物も病院通いもわざわざ街まで出るのに時間がかかる」
「田舎でカフェやペンションを開業するも、客が来ずに行き詰まり」
大体こんな理由で田舎暮らしを挫折する話だ。
そしてコメント欄はお祭り騒ぎだ。
「(テレビ番組の)人生の楽園の見すぎだよ。いいところしか映していないんだから」
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もともと田舎に住んでいる人は、いろんな環境の厳しさも不便も受け入れて、濃密な人間関係で代々助け合い暮らしてきたんだから、勝手に憧れて都会の生活スタイルそのままに移住されてもいい気はしないだろう。それはお互い様だ。
以前、ジャーナリストの佐々木俊尚さんがこんな記事を書いていた。
福井県に居住拠点を置くも町内会に入らないとゴミステーションにゴミが出せないという内容。この話題についてTwitterでは結構激しく燃えていた。
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自分は20代で仕事の関係で横浜から岐阜に引っ越して3年暮らし、30のときに東京の会社を辞めて本格的に岐阜で暮らしはじめた。自覚はあまりないが都会人(笑)
岐阜はまぁ田舎だ。田舎だけど最初に住んだのは岐阜の街中で、一応県庁所在地だし、買い物やもろもろ暮らしていくのに不便はない。柳ヶ瀬だってあるし。
自分自身は都会が好きと言うわけではないし、どちらかと言えば田舎暮らしがしたいタイプだ。だから今の暮らしは満足している。仕事さえあれば若いうちから地方移住もありだと思う。むしろメリットも多い。一戸建ての家でも安く買えるし、子育てもしやすい。大体がクルマ通勤なので満員電車からも解放される。
休日は渋滞はおろか信号すらない快走路をバイクで走り回ることができるし、会社が終わってからナイタースキーに出かけたり、3000メーター級の山だって日帰り登山できる。都会では考えられないような遊びやライフスタイルが満喫できる。自分にとってはパラダイスだ。
そりゃもう東京や横浜には帰れんわ・・・
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ただ、岐阜の本当のど田舎や伝統ある古い街を見て知るにつれ、さすがにそこまで田舎や古い歴史のある街で暮らすのは無理だとも思う。環境も厳しい、若い人がいない、いろいろ面倒くさいこともある。今住んでいる所だって、それなりに地域の行事や役があって大変なのに、それ以上だって聞くと躊躇する。やっぱり根は都会人。だから休日に自然のなかに出かけて行ってアウトドアを満喫するぐらいがちょうどいい。いま暮らしている場所から1時間ぐらいクルマやバイクで走れば大自然だ。
人間というのは、基本的に環境の変化に弱いと思う。
都会で働き、定年退職して田舎暮らしをしたいと思っていても、その環境に適応できる人はわずかだと思う。1から人間関係を築き、その土地の文化や風習になじみ、住民として受け入れられるよう生きていくのは並大抵ではないと思う。
だから山の麓に別荘を買って休日を過ごしたり、都心から少し離れた不便のない地方都市ぐらいに引っ越して、週末に山や海に出かけてアウトドアを楽しむぐらいの付き合い方がいいと思う。
都会の人が都会の暮らしのすべてを捨てて、いきなり田舎に家を建てて暮らすのはリスクが高すぎる。いざというとき帰る場所は残しておいたほうがいい。
山陰旅行の記事がまとまらない・・・それぐらい萩の街はよかった。
これ、江戸時代の映画のセットじゃないよ。令和時代の街のなかの道。