本記事について*1
日経ビジネスオンラインとは?
「日経ビジネス・オンライン」って、いうサイトがあってね。
端的に言えば「日経ビジネス」のWEB版のようなものなんだけど、これがなかなか充実していていておもしろい。
経営や経済、政治、国際関係などの分野で、著名な経営者やエコノミスト、ジャーナリスト、研究者の執筆した記事やコラム、インタビューが、会員登録さえすれば無料で読めるのだから、インターネットってすばらしいね。
たとえば、アメリカのビジネススクール(MBA)の講師の先生がね、最新の経営学の動向なんかをあたしのような素人にもわかりやすく解説してくれたりするんです。
アメリカのビジネススクールでは、日本ではマネジメントの神様なんて紹介されるドラッカーのマネジメント論は、名言は多いけど、エビデンスに基づいてないので読まれないとかね。ジム・コリンズの「ビジョナリー・カンパニー」なんかも、一時流行りましたが、これもしかりです。
いまの経営学は、統計分析や実験などの科学的な方法で検証するものだと考えられています。ドラッカーの言葉は心に響くかもしれませんが、科学的な裏打ちがなされていないので米国の経営学者は参考にしていないということです。
ほほ~って、なるほど勉強になる。
ただ、社会科学系は、常に変化し続ける分野だから普遍化した理論を示したり、再現性を実証することが難しいところもあるけどね。
※2019年現在は、紙媒体の「日経ビジネス」と統合され、有料会員向けのコンテンツが多くなりました。無料会員でも記事は読めますが限定的です。日経はwebで収益を確保する戦略に大きく舵を切っているようですが、購読するにはちょっと高いんだよなぁ~(年額22,500円)
「フェルディナント・ヤマグチの走りながら考える」がめちゃ面白い
ウィークデイは毎日記事の更新があって、朝、仕事をはじめる前に30分ぐらいヘッドラインを眺めながら興味のある記事を拾い読みするんだけど、基本はまじめでお堅い記事が多いなかで異色のコラムがあってね。
フェルディナント・ヤマグチ氏の「走りながら考える」というタイトル。
※このコラムは、現在でも無料会員で読むことができます。
これがなかなかのむちゃくちゃぶりでおもしろくてね。読んで吹き出して笑っちゃうこともしばしば(^_^;
ニューモデルのクルマを試乗して、インプレッションし、メーカーの担当者に話を聞いたり、そのクルマに乗るオーナーを街で見つけて突撃インタビューするというのが基本的な流れなんだけど、本題に入るヨタ話の話題が豊富で、まあ、この人ホントに人生楽しんでいるね。
フェルさん、顔出しNGの覆面コラムニストなんだけど、詳しく知りたければ、WEBで検索(笑) ← いっぱい出てきます。
そんで今年(2014年)に入ってから、MAZDA(マツダ)の記事が13回続いてね。担当編集者の顔面蒼白をよそに、これが結構大盛り上がりしたのよ。
自動車会社としては、それほど大きくないマツダですが、ロータリーエンジン作ったり、ルマンで優勝したり、2シーターのライトウェイトスポーツを作り続けたり、なかなか個性的でわたしも好きです。
最初に新車でクルマ買ったのも、ファミリアのハッチバックだったなぁ~
最近は、スカイアクティブというコンセプトで、CX-5に新開発のディーゼルエンジン載せて乗用車にディーゼル革命起こし、かなかな好調のようです。新型のアテンザのマツダ顔、なかなかよいと思います。
あの個性的なマスクは、すぐにマツダってわかりますよね。BMWみたいにフロントマスク見たらメーカーがわかるって、よく考えてみると日本のメーカーにはなかったんじゃないかな。
で、前置きが長くなったけど、このマツダの記事の番外編というのが企画されまして、この連載でぶっちゃけトークを炸裂されたマツダの常務執行役員(※現・副社長)の藤原清志氏とフェルさんが、生で中だ・・・ いや生トークのスペシャルセッションをするという、ファン垂涎の企画!
限定200名、早いモン勝ち!
東京で開催だったんだけど、迷わず申し込んじゃいました!
会場は、四谷の明治記念館。近くに東宮御所や迎賓館、学習院の初等科があったりする気品あふれる地域です。
で、岐阜から新幹線乗って、出かけてきましたよ!
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なぜ、マツダはディーゼルエンジンで勝負したのか?
参加したのは、日経ビジネス企画編集センター主催の走りながら考える番外編「クルマへの愛を確かめよう-MAZDA PRESENTS ZOOM-ZOOMフェスタ2014」という企画。
これは、「日本を元気にする企業シリーズ 第1弾」と位置づけていますから、今後第2弾・第3弾と続くのかな? たぶんとってつけたんだと思いますけど(笑)
※案の定2回目はありませんでした (^_^;)
さて、明治記念館に着くと、受付を済ませ会場に入ります。
会場には、最近のマツダの顔がズラリ。
CX-5にアテンザ、アクセラに、なんとデビュー前の新型のデミオまで!
※写真ぼけぼけですんません。なんせ昔のガラケーで撮ったもんで。
このデミオ、なんと1.5リッターのディーゼルエンジンがラインナップされていて、それも低圧縮で軽量化された最新のエンジン。
ここ最近は、ハイブリッドが全盛のクルマ業界。もうプリウスとアクアとフィットしかねえんじゃないかってぐらいよく見かけますけど、
どうもマツダさんは、クリーンディーゼルで勝負するようです。とっても興味あります。なにせ、1.5リッターのディーゼルエンジンのトルクは、2.5リッターのガソリンエンジンのトルクに匹敵するらしい。おまけに燃費もよくて、軽油だからガソリンより安いし。
このデミオ、なかなかカッコイイです! ヨーロッパ車の匂いがプンプンします。この頃のこの手のコンパクトカーって、国内メーカーはコストダウンして安っぽいのが多いなかで、これはちゃんと作ってるな~って感じです。アルファロメオやフォルクスワーゲンなんかと並べてもいいんじゃないかなって思う。マツダ車って、結構ヨーロッパで評価高いんだよね。
※たぶん、これが影響して現在のCX-3購入に繋がったのだと思います。
今回のメインゲスト、マツダの常務執行役員(現・副社長)の藤原氏は、通算で6年ほどドイツのマツダヨーロッパに在籍したとのこと。このとき、いろんなクルマでヨーロッパ中を走り回っていたそうです。
で、ご存じかもしれませんが、ヨーロッパはディーゼルエンジンが主流なんです。日本では、あの真っ黒な黒煙を吐く、ガラガラとうるさいイメージのディーゼルエンジンですが(これは石原閣下のパフォーマンスのせい?)、実は内燃機関としては非常に効率的で優秀なんです。
今じゃ触媒技術も進歩して、黒煙を吐くこともありませんしね。スカイアクティブのエンジンは、さらに触媒に頼らずにNOxが出ないように燃焼効率を高めているようです。
で、アウディのディーゼルに乗ってヨーロッパを走った藤原さんは思ったそうです。
「日本でも、ディーゼルいけるじゃね」ってね。
たぶん、この先ハイブリッドから電気自動車、燃料電池へとクルマのパワートレーンは変わっていくんでしょうけど。でも、あと20年先はどうかと考えると、たとえば電気自動車が登録台数の10%を超えていることはないんじゃないかな? 燃料電池車はインフラも含めてまだまだ開発の途上だとも思います。
つまり、化石燃料のレシプロエンジンはあと20年先ぐらいまでは主流にあるはず。世界シェアが3%程度の規模のマツダが、ガソリンエンジンやディーゼルに的を絞って、高効率を追求して勝負していくのは理にかなっているとも思います。
※このイベントから5年経ちましたが、電気自動車の普及はまだまだ途上といったところでしょう。ただし欧米では、2030年ごろまでにかなりの規制が入りそうです。実現可能かどうかは微妙な気がします。
まあ、モーターで動くクルマが主流になったときは、自動車会社そのものがどうなっているかわかりませんからね。アップルとかソニーとかパナソニック(※ダイソンとかも)が幅を利かせてたりして・・・
で、そのためにマツダは、これまでのエンジンもシャシもボディもすべて見直して、新しいコンセプトで進み始めたといいます。それが「スカイアクティブ」。走りにこだわり、走る楽しさを提供したい。逆にわかってくれない人はいいみたい(笑) そのあたりの割り切りがマツダらしいですね。
シェアを広げるんじゃなくて、たとえ3%のシェアであっても、その3%の、その人、そのオーナーに深くコミットメントしていくという方針を掲げているといいます。
この戦略・方向性のグランドデザインを手がけたのが、藤原さんなんです。こんな方のお話しを生で聞けるなんて幸せですわ。ビジネスや組織をまとめる示唆に富んだお話しもたくさん聞けました。やっぱり、企業は人なんですね~
↑ マツダの常務執行役員(現・副社長)の藤原さんです。
※実際にマツダを変革するために旗を振っていたのは、元会長の金井誠太氏のようです。この話については後日。
で、フェルさんのトークも軽快で、楽しい(^_^)/
フェルさん、いつもこんなマスク被ってます。なんか隠し撮りみたいになっちゃった(笑)
で、ぶっちゃけトーク満載で、これ企業秘密じゃないの?
例えば・・・
スカイアクティブの幻の試作車がとってもよかったとか!(→もう時効だからぶっちゃけるとツインプラグ仕様だったらしい)
次期ロードスターはアルファロメオスパイダーとどんな関係なのか・・・先方から・・・おっと、ここまで!
※結局アルファロメオとは大人の事情で発売できず、ABARTH 124 spiderとして販売されています。
ロータリーエンジン誕生50周年を数年後に控えて・・・ あるかもしれませんよ~(笑)
↑
もう公になっていますが、ロータリーエンジンを発電機として活用することですね。
マツダは10月2日、同社技術開発の長期ビジョン「サステイナブル“Zoom-Zoom”宣言2030」に基づく電動化とコネクティビティの技術戦略を公表。電動化技術では、2030年時点で生産するすべての車両に電動化技術を搭載するとともに、EV(電気自動車)については新開発のロータリーエンジンレンジエクステンダーを搭載したモデルを独自開発することが示された。
そして・・・
ルマン再挑戦はあるのか!
これはなさそうです・・・(´д`)
そして、トークセッションが終わると、会場を移してカクテルパーティ
今回、参加費2000円なんですけど、まあ。豪華なお料理にお酒はビール、ワイン、カクテル、ウイスキーが飲み放題ヾ(^v^)k
ビュッフェスタイルでしたので・・・
ハイ! 遠慮せずガンガンいただきました!
ちょっと、今回はマツダ褒めすぎたかな (^_^;
ま、あたしは、クルマに走りはあんまり求めてませんけどね。運転ヘタなんで(爆)
* * *
今回、ずいぶん昔のエントリーを掲載したのは、次回、この本について記事を書こうと思ったからなんです。
※その記事はこちら ↓
マツダって会社はオモロイですな。まだ伸びるでしょう。いま、株価も安値だし買っておくかな。
*1:
本記事は、ブルさんの旧ブログ「bull power world」(Yahoo!ブログ:2019年12月でサービス終了)のエントリー「走りながら考える-番外編に行ってきました! その1」(2014/8/21)「だいぶ遅れましたが(^_^; 走りながら考える―番外編に行ってきました その2」(2014/9/9)を編集・リライトして転載しています。