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夏行きのチケット

うちの会社の場合、夏休みは通常3日間で、大体8月のお盆の頃にみんなで一斉に休むようになっている。

 

先日の会議で「今年は8月12日が振替休日で休みだから、16日を休みにして9日間の休みにします」と社長が決断した。

 

 ↓ こんな感じだ

 

8月10日(土)・11日(日)・12日(祝日)・13日(夏休)・14日(夏休)・15日(夏休)・16日(特休)・17日(土)・18日(日)

 

今年のGWは10連休のうち2日間出勤日にしたから、その穴埋め的要素もあるんだけど。

 

9日間の夏休み。

 

*  *  *

 

 前々回のエントリーで、過去のバイク歴をまとめたときに、学生時代に北海道へZ400GPでツーリングに行った写真を掲載した。

 

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 あれは20歳の時で、実家のある横浜からひたすら太平洋側を陸路で青森を目指し、そこから青函連絡船で海を渡って北海道に上陸し10日ほど北海道内を走り回った。帰りは日本海側を秋田や山形、新潟と南下して、長野の友だちの家に寄って帰るという、全部で20日間のひとり旅だった。

 

当時はインターネットもスマホも無くて、地図と案内板を頼りに目的地を目指し、宿はユースホステルを利用した。ユールホステルはバイクや自転車で旅する若者でいっぱいで、いろんな出会いがあった。

 

いまでも、あのときのことはよく覚えている。どこまでも真っ直ぐに続く道に感動し、8月だというのに羅臼のユースはストーブが焚かれていた。雨の層雲峡の峠道は寒く、夜になっても目的地の旭川に着かずに泣きそうになったっけ。

 

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雨宿りした民家の軒先でおじさんがカニの味噌汁をくれた。ウマかったし、人の温かさにジーンとした。

 

*  *  *

 

あれから30年が過ぎた。

 

自分もいいオッサンになった。まだバイクに乗っているなんて。ホントにバカだな。30年前と全然変わってないじゃん(笑)

 

就職して、仕事では何度も北海道を訪れている。札幌を拠点にレンタカーを借りて、旭川や函館あたりまで回る。

 

北海道に行くといつも思う。

 

「バイクで走りたいな」

 

普段バイクに乗るときは、自宅のある岐阜から東海・北陸地方が中心で日帰りばかり。遠くに行ったのは、1度だけ砂丘が見たくて鳥取まで出かけたぐらい。

 

北海道はスケールが違う。レンタカーで走っていても、郊外に出ればまるでどこかの大陸を走っているような気分になる(大陸走ったことないけど)。

 

「ま、定年になるまで、そんな休み取れないよな。北海道ツーリングは定年後の楽しみに取っておくしかないのかな」と、ぼんやり思うだけで諦めていた。

 

ただ、今年の夏休みの日程を聞いて、何の気なしに名古屋から北海道までフェリーが出ていないか調べてみた。

 

名古屋から仙台を経由して苫小牧まで行くフェリーがあった。

 

「ほう、こんな航路があったんだ」

 

インターネットは本当に便利だ。空席情報も調べられる。予約は2ヶ月前からで、ちょうど休みに入る日を含め前後の便はすでに満席だった。

 

「やっぱり、夏休みでお盆の時期だし、発売と同時に売り切れちゃんだろうなぁ~」

 

その時は、それでブラウザーを閉じた。別に夏休みの予定があるわけではなかったけど、さすがに家族に無断で勝手に行くのは気が引けるし、満席じゃしょうがない。

 

*  *  *

 

次の日の夜。晩酌しながらタブレットでネットサーフィンしていて、もう一度フェリーの予約ページを開いてみた。

 

夏休みが始まる2日前の便に空席が出ていた。

 

「(*゚Д゚)!!!!!」

 

そこからは、もう勝手に手が動いていて、気がついたらクレジットカードで決済まで済ませていた。

 

横にいるカミさんに聞いた。

 

「夏休み、北海道にツーリングに行っていい?」

 

(完全事後報告なんだけど・・・)

 

「行くなって言っても行くんでしょ。お好きにどうぞ」

 

「あはは。よくわかっていらっしゃる」

 

「行きたいな~」なんて思っているだけ、ぼやいているだけじゃ何も進まないし、事は起こらない。勢いとタイミングは大事だ。

 

思いもよらず、定年後の楽しみが10年前倒しになった。そうだよ。10年後なんてどうなっているかわからないじゃない。

 

今しかできないことは、今やる。

 

10年後に手に入れるはずだった、夏行きの片道切符は手に入れた。

 

さて、帰りはどうしよう?

 

 

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こんな調子じゃ、到底2000万円は貯まりそうもありません (T-T)

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