「フツーの暮らし」が、意外とハードル高いぞ
このブログの趣旨が、一応「50歳からのライフスタイルを考える」みたいなテーマを掲げているので、不定期でいくつかのテーマで思いつくままに感じていることを綴ってみたい。
50歳と言えば、多少なりともそれなりの人生を送ってきて、人生の折り返し地点を過ぎたところという立ち位置だろうか。
これまでどんなことがあったのか、今はどのような立場に立っているのか、それは一人ひとりのストーリーがあって、今があり、これはもう変えられない。と言いつつ、こんな歳になれば、これまでの人生のあゆみで、随分と立ち位置は違うはず。
例えば結婚していたり、子どもがいたり、サラリーマンずっと続けている人もいれば、独立したり、自営業していたり・・・
もう、数え切れないほど、人それぞれの人生があり、今がある。
こうやって考えると、そのときどきで自分はどんな選択をして、決断をして、行動したり、しなかったりして今の自分にたどり着いたか振り返ることができる。そして過去は過去のまま人生にずっとあり続ける。酷な話だ。
ただ、「過去は変えられないが、未来は変えられる」なんてよく聞くセリフだが、確かに未来は自分で創り出せる。デザインできる要素はある。それでも漫然と日々を過ごしていては、歳だけ取って全然中身のない人生なんてこともある。ビジョンは大切だ。もちろん、フツーに暮らせればOKなんだけど、今の時代、実は「フツー」に暮らすって、なかなかハードルが高いことなのかもしれない。
「フツー」な暮らしって、なに不自由ない暮らしってことでしょ?
今は「フツー」に暮らしていても、今の暮らしを支えるピースが、なにか一つでも欠けたら・・・
意外とビミョーなバランスで成り立っていると思うのです。
そこで、まずは「フツー」の暮らしを続ける基盤を強化・整理する必要がある。それができてこそ、理想の暮らしなり、生き方なりはデザインできる。何ごとも基礎は大事だ。
で、考えた。何を強化・整理する必要があるのか?
結局、よく言われる3つの分野にたどり着くんだな。
お金、仕事、健康だ。
特に50代以降、もう若さや勢いで乗りきれるものでもない。この3つは計画的に強化・整理しておきたい分野だ。さらに、もう一つ大事な分野がある。「人間関係」。これは、50歳を過ぎると強化と言うより「整理」するほうに比重が高くなってくる。
負担は確実に増している
最初のテーマ。「お金」
やはり我々世代が一番心配なのはお金だろう。もう使い切れないほどの資産を築いた人はいいけれど、50代は、まだ家のローンが残っていたり、子どもの進学・教育費など、お金に関する悩みや心配がつきない。自分もそう。
で、あなたは、最近まじまじと給与明細を眺めたことがあるだろうか。
「なんか給料少し増えたけど、実入り少ねーなー」
みたいなことを実感していないだろうか。
実は、我々世代が社会に出たとき、所得税は累進課税なので、20代のサラリーマンの稼ぎじゃ大した納税額にもならないし、ボーナスから社会保険料を引かれることもなかった。介護保険もなかったので、社会保険料は今よりずっと安かったし、健康保険で病院に支払う自己負担は1割だった。
自分が働き始めたのが1990年4月、大卒の初任給が17、18万円ぐらいだっただろうか。
今じゃ、所得税に市民税、厚生年金に健康保険など、おいおいって額じゃない。一般的に年収の25%ぐらい税金と保険料とで引かれていく。例えばどっかの、そこそこの会社の、課長さんクラスだと、年収800万ぐらいでしょうか。だと200万ぐらいは負担している計算になる。
おいおいでしょ! (;´Д`)
200万あったら、かなり贅沢できるぞ! ああクルマ買い換えたい・・・
※あくまでもたとえの年収ね。自分の年収ではありませんから。残念ながら。
ちなみに、消費税が導入されたのが1989年4月から。税率3%
そして1997年に5%
さらに2014年には8%
いよいよ2019年10月には10%!!!!(゜Д゜)
高齢化で逼迫する厚生年金。
厚生年金の保険料率は、年金制度改正に基づき2004(平成16)年から段階的に引き上げられてきた。
2004(平成16)年10月の13.934%。そこから毎年0.354%引き上げられ、2017(平成 29) 年9月には18.3%に達し、とりあえず固定された。
(みんなが気がつかないように、じわじわやるんだよね。国家ってヤツは・・・)
ちなみにサラリーマンが支払っているのは負担額の半分。もう半分は会社が払っている。会社も重い負担を強いられているのだ。あなたに払うべき給料が社会保険料として、いまの年金受給者に振り込まれている(賦課方式)。決して我々の支払った保険料が積み立てられているわけではないのだ。ここはよく理解しておきたい。
健康保険だって、健保組合から高齢者医療制度へ多額の拠出金を出している。それは、暇に任せて病院通いしている年金暮らしの高齢者に搾取されているのだ(午前中の整形外科に行ってみると医療制度の問題がよくわかる)。
もうあらゆる税金と社会保険料の負担が増してきた。そして、お父さんの懐は寂しくなるばかり(T-T)
家計は誰が握っている?
ところで、あなたの家の家計は誰が握っているだろう?
50代のサラリーマンお父さんの家庭は、たぶんカミさんが家計をやり繰りしているケースが多いのではないか。うちもそうだった。現金で月に4万円(ホントは5万円だが、バイクのローンで1万円引かれる)を小遣いとしてもらっていた。
働いている本人が、実は毎月何に、いくらかかっているのか知らなかったりする。光熱費、通信費、各種保険代に子どもの教育費etc
自分は、ときどきカミさんに確認していたのだが、すぐ忘れるし、特段困っている様子もないのであまり気にしていなかった。
カミさんは、特に無駄遣いするとかそういうことはなかったし、とりあえず貯金もあったのだが、心配性な性格で、保険の支払が月々結構な額になっていた。
それを5年ほど前から自分で管理するようになった。そして、子どもも金がかかる時期にきていたので、専業主婦だったカミさんには、働きにでてもらうことした。
ちょうどその頃、NISAがはじまったり、少し前には中小企業のサラリーマンでも、個人で確定拠出年金に加入できるようになった。いろいろ勉強してみると、サラリーマンでも節税できるし、低金利で貯金に利子がほとんど付かないなかで、資産を運用するということに興味が湧いてきた。
そこで、カミさんに渡していたキャッシュカードやクレジットカードなどすべてを回収して生活費を渡すことにし、自分の小遣いは自分のパート代で賄ってもらうことにした。そして、月換算で5万円以上支払っていた各種保険(生命保険に医療保険、火災保険、地震保険、学資保険、個人年金保険、自動車保険など)を見直し、必要最低限にして、クルマのローンなどをすべて精算し、住宅ローンも金利の低い銀行に計算してもらい、今借りている銀行に交渉して引き下げてもらった。
例えば生命保険の特約は、ほとんど掛け捨てだ。自分に万が一ということもあるが、自分の場合、住宅ローンは団信で完済されるし(これも保険だ)、年金からは遺族年金が支払われる。病気やケガも高額療養費があるので、負担額は青天井ではない。だからむやみに保険を掛けるより、そのお金を運用したり、ローン等の返済に回すことを優先することにした。
とにかく、さまざまな負担が増す一方、簡単に収入が増えないなかで月の支払を減らして、浮いたお金をNISAや確定拠出年金、ふるさと納税(何だか最近やり玉にあがっているけど・・・)などに充てるように改革したのだ。何もしなければ取られるばかり。まずはできることを実行する。
家計をやり繰りするのは、実に面倒くさい。いろんな支払があったり、出費に備えて銀行の残高を調整したり。もうお兄ちゃんの大学の学費の振り込み時期が迫ると、ホントに憂鬱になる。
でも、非常に勉強になる。そして、お金を自分の管理下に置くことは、主権を取り戻したようで気分がいい。これまで、カミさんにお伺いを立てて趣味に使うお金をもらっていたのだが、そんなこともしなくていいのだ。もちろん、いつどのような支払が来ても余裕あるようにコントロールできる範囲でしかお金を使えないので、今では、むしろ自制している(はず?)。
最後の資産形成のとき
家族を養っていれば(うちは、カミさんと子どもふたり)、40歳代までは、基本支出が多くそれほどお金は貯まらない。貯まっている人は教えて欲しい・・・
だから50歳から60歳までの10年間をどのようにデザインして、理想の暮らしに近づけていくのかを考えて実行していくことが大事だと、ホントに思った。
自分は、60歳までに今の会社を去るつもりだ。
だから今からの10年間で何かあっても簡単に崩れない耐性をつけておき、さらに基盤を脅かすリスクを少なくしていくための資本をつくる最後のチャンスと捉えている。
資本とはお金だけではなく、健康もそうだし、自分が使える様々な社会資本(social capital)も把握して活用できる状態にしておきたい。
まず、お金。やろうと思えば、できることはいろいろとある。情報はこのネット上にあふれているし、参考になる書籍もたくさんある。これは、早めに取りかかれば取りかかるほど効果がある。もっと早くやっておくべきだったな~(T-T)